現在世界では、国連が提唱するSDGsにみられるように「持続可能でよりよい社会」の実現に向けた活動が盛んになっています。そのような状況の中でエネルギーに関しては、地球温暖化対策の観点から、我が国を含め多くの国が2050年までに「カーボンニュートラル」の達成を目指す旨を表明しています。
このカーボンニュートラル社会を実現するためには、現下のエネルギー使用において主力となっている化石燃料を可能な限り削減していくとともに、再エネや原子力等の非化石エネルギー、CO2回収を前提とした化石燃料由来エネルギーなど炭素を含まないカーボンフリー・エネルギーへ転換していくことが求められます。
しかし、これらカーボンフリー・エネルギーの調達には、総じて技術面・コスト面等の課題が山積しており、現時点においてはもちろん将来においてもその十分な確保は容易ではありません。
したがって、エネルギーの利用形態として、今後は電化等を進めながら化石燃料をカーボンフリー・エネルギーへ代替していくと同時に、これらエネルギー全体を省エネするという観点が不可欠になってきます。すなわち、より複合的かつ包括的な視点から省エネを進化させる必要があります。
このようなニーズを踏まえ、40年超に亘り内外の省エネ推進に携わってきた当センターといたしましても、これまでの経験と蓄積をベースとして、省エネの機能拡大・強化を図りながら、関連する情報の発信、技術・手法の刷新、多層的人材の育成、国際協力の推進等の活動をより強力に展開してまいります。
つきましては、引き続き皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
一般財団法人省エネルギーセンター
会長 藤 洋 作