事業者は、上記Tに掲げる諸基準を遵守するとともに、エネルギー消費原単位(エネルギーの使用の合理化に関する法律施行令(昭和54年9月政令第267号)第1条の2で定める業種にあっては生産のために要したエネルギーの使用量を生産数量で除して得た値をいい、その他の業種にあっては業務のために要したエネルギーの使用量を当該業務に供した施設の規模等エネルギーの使用量と密接な関係をもつ値で除して得た値をいう。)を工場又は事業者ごとに中長期的にみて年平均1パーセント以上低減させることを目標として技術的かつ経済的に可能な範囲内で次に掲げる諸目標及び措置の実現に努めるものとする。
また、事業者は、将来に向けて、これらの措置を最大限より効果的に講じていくことを目指して、中長期的視点に立った計画的な取組に努めなければならないものとする。
| 1] | 冷却器及び凝縮器への入口温度については、200℃未満に下げることを目標として効率的な熱回収に努めること。ただし、固体又は汚れの著しい流体若しくは著しく腐食性のある流体及び冷却熱量が毎時2,100メガジュール未満又は熱回収可能量が毎時630メガジュール未満のものについては、この限りではない。 |
| 2] | 加熱等を行う設備で用いる蒸気であって、乾き度を高めることによりエネルギーの使用の合理化が図れる場合にあっては、輸送段階での放熱防止及びスチームセパレーターの導入により熱利用設備での乾き度を高めることを検討すること。 |
| 3] | 工業炉の炉壁面等は、その性状及び形状を改善することにより、放射率を向上させるよう検討すること。 |
| 4] | 加熱等を行う設備の伝熱面は、その性状及び形状を改善することにより、熱伝達率を向上させるよう検討すること。 |
| 5] | 加熱等を行う設備の熱交換に係る部分には、熱伝導率の高い材料を用いるよう検討すること。 |
| 6] | 工業炉の炉体、架台及び冶具、被加熱物を搬入するための台車等は、熱容量を低減させるよう検討すること。 |
| 7] | 直火バーナー、液中燃焼等により被加熱物を直接加熱することが可能な場合には、直接加熱するよう検討すること。 |
| 8] | 多重効用缶を用い加熱等を行う場合には、効用段数の増加により総合的な熱効率が向上するよう検討すること。 |
| 9] | 蒸留塔に関しては、運転圧力の適正化、段数の多段化等による還流比の低減、蒸気の再圧縮、多重効用化等について検討すること。 |
| 10] | 熱交換器の増設及び配列の適正化により総合的な熱効率を向上させるよう検討すること。 |
| 11] | 高温で使用する工業炉と低温で使用する工業炉の組合せ等により、熱を多段階に利用して、総合的な熱効率を向上させるよう検討すること。 |
| 12] | 加熱等を行う設備の制御方法の改善により、熱の有効利用を図るよう努めること。 |
| 13] | 加熱等の反復を必要とする工程は、連続化若しくは統合化又は短縮若しくは一部の省略を行うよう検討すること。 |
| 14] | 工業炉の炉壁外面温度の値を、別表第2(B)に掲げる炉壁外面温度の値(間欠式操業炉又は1日の操業時間が12時間を超えない工業炉のうち、炉内温度が500℃以上のもにあっては、別表第2(B)に掲げる炉壁外面温度の値又は炉壁内面の面積の80パーセント以上の部分をかさ密度の加重平均値0.75以下の断熱物質によって構成すること。)を目標として炉壁の断熱性を向上させるよう努めること。 |
| 15] | 断熱材の厚さの増加、熱伝導率の低い断熱材の利用、断熱の二重化等により、熱利用設備の断熱性を向上させるよう検討すること。 |
| 16] | 熱利用設備の開口部については、開口部の縮小又は密閉、二重扉の取付け、内部からの空気流等による遮断等により、放散及び空気の流出入による熱の損失を防止するよう検討すること。 |
| 17] | 熱利用設備の回転部分、継手部分等には、シールを行う等熱媒体の漏えいを防止するための措置を講ずるよう検討すること。 |
| 18] | 熱媒体を輸送する配管の径路の合理化により、放熱面積を低減するよう検討すること。 |
| 19] | 開放型の蒸気使用設備、開放型の高温物質の搬送設備等には、おおいを設けることにより、放散又は熱媒体の拡散による熱の損失を低減するよう検討すること。ただし、搬送しながら空冷する必要がある場合はこの限りでない。 |
| 20] | 排ガスの廃熱の回収利用については、別表第3(B)に掲げる廃ガス温度及び廃熱回収率の値を目標として廃ガス温度を低下させ廃熱回収率を高めるよう努めること。
・ | 被加熱材の水分の事前除去、予熱、予備粉砕等、事前処理によりエネルギーの使用の合理化が図れる場合は、予備処理の方法を調査検討すること。 |
・ | ボイラー、冷凍機等の熱利用設備を設置する場合において、小型化し分散配置すること又は蓄熱設備を設けることによりエネルギーの使用の合理化が図れるときは、その方法を検討すること。 |
・ | ボイラー、工業炉、蒸気 |
・ | 温水等の熱媒体を用いる加熱設備及び乾燥設備等の設置に当たっては、使用する温度レベル等を勘案し熱効率の高い設備を採用するとともに、その特性、種類を勘案し、設備の運転特性及び稼働状況に応じて、所要能力に見合った容量のものを検討すること。 |
・ | 温水媒体による加熱設備にあっては、真空蒸気媒体による加熱についても検討すること。 |
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