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シェアード・セイビング

ESCO契約形態の一つ。改修工事の資金をESCO事業者が用意し、設備はESCO事業者の所有となるもの。省エネ改造での利潤より初期投資と金利を返済 し、残りでESCO事業者と顧客の間で契約に基づき配分する。もし所定の利潤が得られなければ、ESCO事業者はその額を保証する。契約期間後の利潤はす べて顧客の取り分となる。契約期間後の設備の所有は契約時に明確に決めておいたほうがよい。ESCO契約のほとんどはこの形態であり、顧客側は専門的な知 識が十分でなくてもしっかりしたESCO事業者を採用すれば、相応の省エネを利潤と共に達成される場合が多い。
Cf.:ギャランティード・セイビング
(参照URL:http://www.eccj.or.jp/esco/index.html)

事業者

法人格がある団体、会社などのこと。省エネ法における事業者の単位は法人格単位が基本となる。よって、子会社、関連会社、協力会社、持株会社等はいずれも別法人であるため、別事業者として扱う。

資質向上講習

エネルギー管理員に選任されている者にさらに資質を向上させるために、エネルギー管理員新規講習課程修了者をエネルギー管理員に選任している事業者はエネ ルギー管理員資質向上講習を受講させなければならない。その期間は新規講習又は資質向上講習受講後3年毎とし、新規講習課程終了後2年を経てエネルギー管 理員に選任されたものは、翌年度中に行われる資質向上講習を受けさせなくてはならない。なおこの講習は受講義務年に該当するもの以外は受講できない。

次世代省エネ基準

省エネ法第73条に基づいて規定された省エネ住宅の基準。平成11年に公布され、現在のものは「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特 定建築物の所有者の判断の基準」及び「住宅に係わるエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」として平成18年3月に公布された。 上記の告示に定めるものと同等以上の性能を有する工法かどうかの評価を行い、適合すると判断されたものに対して「次世代省エネ基準適合住宅」の評定書が交 付される。
(参照:http://www.ibec.or.jp/nintei/jisedai/)

室内環境管理基準

ビル管理法で規定された建築物環境衛生管理基準のこと。特定建築物(事務所ビルでは床面積3,000m2以上)では、下記の7項目を基準値以下にしなければならない。また、2ヶ月に1回、計測・記録し、データを保管しなければならない。
(1)浮遊粉じん量≦0.15mg/m3、(2)一酸化炭素≦10ppm、(3)炭酸ガス≦1,000ppm、(4)温度17℃≦-≦28℃、(5)相対湿度40%≦-≦70%、(6)気流≦0.5m/s、(7)ホルムアルデヒド≦0.1mg/m3

室内CO2濃度規制値

建築物環境衛生管理基準の規制値は「1000ppm以下」である。しかし、この規制値はCO2そのものの有害限度ではなく、空気の物理的、化学的性状がCO2の増加に比例して悪化すると仮定したときの、汚染の指標としての許容濃度を意味する。従って、この値を超えれば直ちに健康に被害がでる訳ではない。多くのビルでは700ppm程度で運転されている場合が多く、規制値に対してまだ余裕があることが多い。室内CO2濃度は取り入れ外気量に関係するため、CO2濃度を適切に管理、調整することにより外気取り入れ量の削減することが可能となり、省エネルギーにつながる。

室内相対湿度規制値

建築物環境衛生管理基準の規制値は「40%以上、70%以下」である。加湿、除湿には水の潜熱に絡むエネルギーが必要であるため、居室に限り室内環境基準 の限度を維持する管理でよい。夏季は70%超えてから除湿を、冬期は加湿して必ず40%を維持したい。ことに、「湿度の下限値40%」には健康上大切な意 味がある。下限値以下では、ウイルスの死滅率が低く、カゼの蔓延などの危険が増す。保健の観点からは50%程度が望ましいと言われる。しかし、冬期にはこ の下限値が守られず、基準値違反のビルが少なくない。外気の絶対湿度が低いため、加湿量が増加し、エネルギー消費量も増加するが、湿度は健康に関わること であり、結露にも配慮しつつ対処したい。また、相対湿度であることから、室温との相対関係にある。このため、厚着して室温を下げることは相対湿度を高める と共に、室温低下の効果から省エネルギーに大きく寄与する。

重質原油

原油は比重によって軽質、中質、重質に区分される。我が国に輸入されている重質原油としては、アラビアン・へビー、クエェート、カフジ原油がある。
Cf.:軽質原油

重油

重油とは、原油を直接常圧蒸留して精製する際、300℃以上の重油留分として得られる中質・重質液体留分や、常圧蒸留の残油を減圧蒸留して得られる同様の重質液体留分。
A重油とは、重油のうち、引火点60℃以上、動粘度20mm2/s以下、残留炭素分4%以下、硫黄分2.0%以下の性状を有するもの。
C重油とは、重油のうち、引火点60℃以上、動粘度20mm2/s以上、残留炭素分4%以上、硫黄分2.0%以上の性状を有するもの。

受電端発電効率

国内の火力発電所設備の平均的な受電端発電効率は、36.9%である。ここでの発電効率は、高位発熱量基準による燃料等の投入熱量と発電電力量から補機の消費電力量等を除外した利用可能な電力量とから算定した値であり、送配電ロスを考慮した需要者側での効率をいう。

主務大臣

当該事務を主管する各省大臣(広辞苑)をいうが、省エネ法では、法第92条第1項で経済産業大臣及び当該工場にかかる事業を所管する大臣が主務大臣 である。事業者は、定期報告書及び中長期計画書を主務大臣に提出することとあり、例えば医薬品製造業の場合経済産業大臣のほか、厚生労働大臣にもこれらの書類を提出する必要がある。

省エネ型製品普及推進優良店

省エネルギー型製品の積極的な販売並びに省エネルギーに関する適切な情報提供を行っている家電等の販売店に「省エネ型製品普及推進優良店」として選定し、 その旨を公表する。家電店の販売ポリシーに省エネ性を挙げることにより省エネ家電製品の普及を図る。選定された販売店は優良店マークを使用することがで き、かつ企業イメージを高めることができる。
(参考URL:http://www.eccj.or.jp/yuryoten/index.html)

省エネ基準達成率

省エネ法の特定機器に対し、それぞれの判断基準に定められた方法で測定・計算された値(エネルギー消費効率)が、区分ごとに定められた判断基準と比較して どのような位置づけにあるかを示す値。100%以下であればまだ基準エネルギー消費効率に達しておらず、100%以上になれば達していることを表し、%が 大きければエネルギーの使用がより効率的であることを示す。
(参考URL:http://www.eccj.or.jp/labeling/index.html )
Cf.:特定機器トップランナー方式エネルギー消費効率省エネラベリング制度

省エネ共和国

・省エネ共和国:
省エネルギーセンターがサポートしている地域ぐるみの省エネ活動。
・活動の内容:
「財団法人省エネルギーセンターは、省エネ共和国の建国支援をはじめ、建国後も多彩なサポートを行っています。日本各地にさまざまな省エネ共和国が建国されることを期待しています。」
・活動の理念:
省エネ共和国憲章を制定し、理念に基づいた活動を展開する。即ち
1.省エネ共和国は、地球温暖化防止のためにエネルギーを考え、省エネ
ルギー・環境・リサイクル等の活動を展開します。
2.省エネ共和国は、国民総意のもとに決めた省エネルギーの具体的な
目標に向けて、自ら省エネルギー活動を計画し実践します。
3.省エネ共和国は、地域のグループに影響力を及ぼす省エネルギー実践
活動を展開します。
・活動形態:
1.学校型 2.団体型 3.自治体型 があり、平成16年7月現在、全国で
83ケ国が建国、活動を展開中である。
(参考 URL:http://www.eccj.or.jp/republic/index.html)

省エネ大賞

民生用の機器・システムを公募し、省エネルギー性、省資源性等の優れたものを表彰する制度。(財)省エネルギーセンターが平成2年度に創設した。家庭用部 門、業務用部門、自動車部門からなる。優秀なものには、経済産業大臣賞、資源エネルギー庁長官賞、省エネルギーセンター会長賞を授与し、毎年2月の省エネ ルギー月間中に東京で表彰式を行う。受賞製品は製品、カタログ等の宣伝媒体に各賞のロゴを添付することができ、購入希望者への周知に有効である。
(参照URL:http://www.eccj.or.jp/bigaward/index.html)

省エネチューニング

建物の実際の使用人員、OA機器による室内発熱、テナントなどの要求事項など現実のビルの特性を把握し、これに合わせて自分たちに使いやすいように設備機器・システムを調整することを省エネチューニングという。省エネを主体とした自前調整「省エネチューニング」が建物の運用・管理に求められている。

省エネナビ

消費電力をリアルタイムに、目標と比較しながら見られる機械である。家庭用とオフィス用の両面で、平成10年度からモニターを公募して普及を促進してい る。毎日の消費電力と目標を1分毎に更新しながら数値(量または金額)で積算表示するとともに、30分毎にグラフ表示も行う。((財)省エネルギーセン ター 「わが家の省エネ」、「オフィスの省エネ」パンフレット参照)
(参照URL:http://www.eccj.or.jp/navi/index.html)

省エネ法

エネルギーの使用の合理化に関する法律」を参照

省エネラベリング制度

家電製品、ガス石油機器等が省エネルギー基準を達成しているかどうかを購入者が容易に判断でき、省エネ性能のより高い機器の普及に資することを目的とし、 機器に省エネ性を示すラベルを貼付したり、カタログに表示したりすることを求めた制度。省エネ法の特定機器21品目のうち13品目(エアコン・蛍光灯器 具・テレビ・電気冷蔵庫・電気冷凍庫、ストーブ、ガス調理機器、ガス温水器、石油温水器、電気便座、変圧器、電子計算機、磁気ディスク装置)について JIS C 9901等で規定されている(2006年3月31日現在)。表示の内容は(1)省エネ性マーク(2)目標年度(3)省エネ基準達成率(4)エネルギー消費効率からなり、未達の場合には オレンジ、既達の場合はグリーンのラベルを添付する。
(参照URL: http://www.eccj.or.jp/labeling/index.html)
Cf.:トップランナー方式エネルギー消費効率省エネ基準達成率

省エネルギー投資の経済性

よく「省エネ投資の投資回収は3年程度」などという。これは3年ほどで設備費を省エネメリット(電気代の低減など)で回収できる投資案件が実施対象となる との意味である。設備の機械寿命は10年以上あるから、この3年回収は、設備機能の陳腐化、適用条件の不整合化、投資金利負担、投資の優先性 などを勘案 した表現である。一般的なルールがある筈はなく、各投資者の判断によるものである。投資額についてやや細かくいうと、投資目的がほかの目的(品質対策/寿 命更新など)と兼用のときは投資負担の配分が必要である。新規設備により既存設備が無駄になるときは既存設備の償却負担、補修費・人件費等に増減あるとき はその調整 などを織り込む必要がある。その上で純省エネ分について経済性を論じることになる。企業では省エネはコスト低減の対策と考えられていが、経済 性に見合った省エネ案件は多くはない。省エネをコスト低減ではなく、企業の市場へのアピールと考えれば投資は将来への先行投資として評価されねばならな い。市場が省エネを評価するには社会・個人のすべてにわたる変革の育成が必要である。

省エネルギー優秀事例発表会

(財)省エネルギーセンターでは全国の工場(ビルも含む)から省エネの実施事例を募っており、1976(昭和51)年からの累計では4,800件ほどの応 募があり、このうちから大臣賞その他を選んで発表会を催している。発表会は2月の省エネ月間にあわせて、東京・大阪で行われ、聴講・質問は自由である。全 参加グループの報告資料(過去分を含めて大部分)は省エネルギーセンターのウェブサイト(http://www.eccj.or.jp/succase/all/index.html または
http://www.eccj.or.jp/dbenecon/index.html の省エネルギー工場事例データベース)で検索できる。省エネの問題発掘手法・問題解析・設備内容・問題点など多くの実施情報が含まれており、病院やショッピングチェーンの事例もあって有効な資料をなしている。

蒸気乾き度

蒸気と熱水が共存している状態にあるとき、蒸気は湿りの飽和蒸気になっている。乾き度は湿り蒸気全体に対する蒸気の重量比率である。例えば、湿り蒸気 1kgの内、xkgが蒸気の状態にあり、残りの(1-x)kgが熱水の状態にあるとき、乾き度=xである。なお、(1-x)を湿り度という。

蒸気トラップ

蒸気を排出することなしに、蒸気使用機器及び蒸気輸送配管中のドレンを自動的に排出する装置。これは、蒸気だけのときは弁を閉じ、ドレンが溜まると自動的 に弁が開いてドレンを排出する機構になっている。形式には、溜まったどれの浮力で弁を開閉させるフロート式、ドレンと蒸気の比重差を利用したバケット式、 ドレンの温度変化を利用したサーモベローズ式、バイメタル式、ドレンと蒸気の流体力学的性質などを利用した衝撃式、ディスク式などがある。

蒸気ドレン

工場のプロセスで仕事を済ませた飽和蒸気の凝縮水、あるいは蒸気輸送配管途中の放熱で一部凝縮液化した飽和水(配管中にはボイラーからの送気時点で既に数 %の飽和水を含んでいる。)を蒸気ドレンという。ドレンは飽和蒸気の約20%の熱量を保有しているので、そのままピットに廃棄するのはエネルギー的にもっ たいないので、出来るだけ回収する。機器の下に取付けられた蒸気トラップを介してドレンだけを取出し、これをポンプで直接ボイラー給水側に回収するか、一 旦温水タンクに蓄えて、各種の加熱目的に使用すれば、省エネルギーになる。

蒸気漏洩

蒸気輸送配管の継ぎ手部やバルブのグランド部等のパッキンの劣化等で蒸気が漏れること。蒸気漏洩はエネルギーの全くの無駄使いであるから、漏れ個所を増し締め等で即刻修理しなければならない。
口径の異なる小穴からの漏洩蒸気量G(kg/h)は下のグラフで表すことができる。圧力2kg/cm2G、口径5mm以下で精度の良い結果が得られる。また、正確な計算をする場合は、係数K’と蒸気の絶対圧(kg/cm2A)の積で求めるとよい。

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照度

光源によって照らされている箇所の明るさの程度を表す測光量である。ある面に入射する光束をその面の面積で割った値で与えられる。

蒸発器

凝縮器で液化され膨張弁で低温低圧の状態になった液冷媒を蒸発させ、外部の冷却しようとする被冷却媒体から蒸発潜熱に等しい熱を奪うことによって、冷却作用を行う熱交換器である。被冷却媒体は水、空気が多いが、ブライン、その他の場合もある。

蒸発熱

飽和水を等圧のもとで蒸発して乾き飽和蒸気にするのに必要な熱量(蒸発潜熱ともいう)。逆に乾き飽和蒸気が飽和水になったときに放出される熱量は凝縮熱といい、蒸発熱と凝縮熱は等しい。

照明効率

作業面に入射する光束/照明器具のランプ光束 であって、照明器具の配光特性や内装材の色彩や反射率等によって決まる。

新エネルギー

従来使っていた石油、石炭、原子力、天然ガス、水力などのエネルギーに対し、今後研究開発・導入が図られる太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、廃棄物発 電、クリーンエネルギー自動車、温度差エネルギー、天然ガスコージェネレーション、燃料電池などの新規開発エネルギーを新エネルギーと総称する。

人感センサー

赤外センサーや超音波センサーによって在室者の有無を検出し自動的に照明の点滅を行う。このセンサーを人感センサーという。

新・国家エネルギー戦略

経済産業省は、エネルギー安全保障を核とした「新・国家エネルギー戦略」を2007年5月に公表した。この戦略の目標は(1)国民に信頼されるエネルギー安全保障の確立、(2)エネルギー問題と環境問題の一体的解決による持続可能な成長基盤の確立、(3)アジア・世界のエネルギー問題克服への積極的貢献の3点である。また、省エネルギーフロントライナー計画として2030年までに更に30%のエネルギー効率の改善を目指して、革新的技術開発の戦略的推進、技術開発成果の適切な評価・普及促進のための社会経済システムの整備を行うとしている。

真発熱量

高発熱量を参照。

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