2011年6月15日、エネルギー管理分野における世界標準である国際規格ISO50001(エネルギーマネジメントシステム)が発行されました。これにより、省エネルギー等への企業対応に世界共通の枠組みが示されることになるとともに、国際的事業活動を行う企業等においては本規格への適合が求められる ケースが生じることも予想されます。
この規格への適合は、本規格に精通した人材の育成を通じ自己評価として行うこともできますが、対外的には専門の審査員による審査を通じて認証される仕組みとなっています。この認証制度は、審査員による審査を通じて認証・登録を行う「審査認証機関」、その前提として審査員を養成する「研修機関」、 研修機関が行なう研修内容の承認と併せ、研修修了者の評価、審査員としての登録を行う「審査員評価登録機関」により運営されます。
一般財団法人省エネルギーセンターは、 本規格の国際的検討の過程において日本政府による対応をお手伝いし、特に本規格と我が国省エネ法との整合性ができるだけ図られるよう助言してきました。今後は、この国際的検討過程における経験、さらにはセンター設立以来30年以上に亘る省エネ推進のノウハウ等を活かして、本認証制度の中で上記の「審査員評価登録機関」の役割を担うこととしました。
具体的には、2011年5月1日から当センター内に「エネルギーマネジメントシステム審査員評価登録 センター(CEMSAR)」を開設し、組織の内外で活動する審査員のための研修の質を高め、審査員の評価(試験を含む)と資格登録の機関として、エネルギー管理に関して長年にわたって培った知見やノウハウを活用し、公平かつ信頼性の高い審査員評価と登録を行います。
CEMSARはISO50001規格制度の運用と普及に向けて以下の事業を実施します。
(1) 審査員のための研修コースの評価と承認
研修機関が実施する審査員のための研修コースについて承認の申請の受付け、所定の審査に基づき必要な水準を満足する研修コースに対して承認を行います。
(2) 力量試験の実施
実施された研修コースの修了者に対して、その力量を評価するための試験を実施します。
(3) 審査員評価登録
力量試験合格者からの審査員登録の申請を受付け、資格基準への適合性について評価判定を行った上で必要な水準を満足する申請者の審査員登録を実施します。
これらの事業を通じてエネルギーマネジメントを推進する人材や基盤の形成に貢献します。
(1) エネルギーマネジメントの普及
ISO50001に基づくエネルギーマネジメントの普及のため、必要な知識、技能を有する優れた審査員等の人材の形成について、研修コース承認及び審査員の評価・登録を通じて寄与します。
(2) 省エネ法との関係を含めたエネルギーマネジメントの活用
エネルギーマネジメントシステムの構築と活用は、省エネ法のエネルギー管理を含めて、一体的に行われることが望ましく、自己評価又は認証においても、その点についての理解が必要で、そのような基盤の形成に寄与します。
(3) 国際動向における日本としての対応の観点
世界的なエネルギーマネジメントを活用動向において、日本としてしかるべきエネルギーマネジメント推進基盤が必要で、その形成に寄与します。
CEMSARは規格制度の厳正な実行のために以下の運営方針に基づき活動します。