ECCJ Home | 省エネお役立ち | 目次
1.病院のエネルギー管理と省エネ推進 | 2.病院のエネルギー消費の特徴 | 3.病院の部門ごとの対策 | 4.病院の主な省エネ対策手法 | 5.病院の省エネ対策事例 | 6. 運用改善による省エネ促進ツール・手法の活用
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病院の部門ごとの省エネ対策
部門の特徴に応じた省エネ
病院はさまざまな部門で構成されています。下表は当センターが実施した調査から得られた各部門の平均値を示しています。以降に示すようにそれぞれの部門ごとにエネルギーの使われ方には特徴があります。部門ごとのエネルギー消費の特徴を把握して、それに合わせて対策を講じることが肝要です。
部門構成とエネルギー消費

病棟の特徴
エネルギー密度は小さいが稼働時間が終日であり、かつ面積比率が大きいのでエネルギー消費量は最も大きい部門です。
一般病室における空調運転を夜間も行うか否かによってもエネルギー消費量に大きく影響します。
また、水の消費量は人員と在室時間による影響が多いため病棟の水消費量は最も大きくなります。
病棟・対策のポイント

外来部門の特徴
エネルギー密度は中程度ですが稼働時間が短いのでエネルギー消費量は全体の1割程度です。
人の出入りが激しいので出入り口からの外気侵入が大きな空調負荷になります。
時刻によって人の密度の変化が大きいのも特徴です。
外来部門・対策のポイント

中央診療部の特徴
面積比、エネルギー密度ともに大きいのでエネルギー消費比率は病棟に次いで大きく、滅菌用をはじめ蒸気消費量が最も大きいので熱消費が最大の部門といえます。同時に洗浄を主とした上水、給湯の使用量も大きいのが特徴です。
また、MRI をはじめ夜間も電源を停止できないような高度医療機器を最も多く抱えているため、待機電力が大きく夜間の電力消費量が大きい特徴があります。
手術件数とオートクレーブ用蒸気消費量(都内総合病院600床規模:手術室6室)
MRI・CT電力消費量時刻トレンド(甲信越地区600床規模総合病院)
X線電力消費量時刻トレンド(甲信越地区600床規模総合病院)
中央診療部門・対策のポイント
中央診療部門photo
中央診療部門photo
 

供給部門の特徴
部門全体としては、平均的なエネルギー密度ですが、稼働時間は一般的な定時なのでエネルギー消費量の比率は小さくなります。
ただし、洗濯・ベッド洗浄滅菌等は蒸気、給水、給湯を多量に消費します。また、廃棄物倉庫では臭気対策としての空調(冷房)換気設備による電力消費が大きくなります。
洗濯室蒸気・用水(給水+給湯)消費量時刻トレンド(甲信越地区600床規模総合病院)
供給部門・対策のポイント

管理部門の特徴
エネルギー密度は病院の中では小さい方 で、稼働時間も定時型のためエネルギー 消費量の比率は小さくなります。一般的 な事務所ビルに似た特性といえます。OA化、IT化が進んでいるために、コンピュー ターによる電力消費量が大きな比率を占めます。
一方、食堂・喫茶に附属した厨房は先に述 べた厨房と似たような特徴がありますが、 土日休日は負荷が激減するのが異なる点 です。
管理部門・対策のポイント

厨房の特徴
病院の中でエネルギー密度が最も大きい部門です。調理のためのガス使用量が大きく、そのため燃焼用の外気を多く取入れなければならず、その温度処理にも大きなエネルギーが必要です。
また、食材保管用の冷蔵(凍)庫も24時間稼動しており、消費エネルギーを無視できません。
その他、当然ですが蒸気、給水、給湯の消費量も大きくなります。
ガス・用水消費量(甲信越地区600床規模総合病院)
主厨房電力消費量時刻トレンド(東北地区総合病院600床規模:冬期)
厨房・対策のポイント
厨房photo



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