無駄なエネルギー使用を避ける(カット)

[照明]

オフィスや工場における不要照明の消灯、照度の見直し

安全上あるいは生産上問題のない範囲での消灯、照明間引きによる照度調整を行い特に、テレワーク拡大により無駄な照明がないかを再チェックする。

広告照明や屋外照明等の停止あるいは管理の徹底

直接事業活動に支障とならない広告や看板、ライトアップ等の消灯や点灯時間の管理強化により無駄を排除。

[空調・冷房]

冷房設定温度を見直すとともに湿度調整もおこなう。

テレワーク拡大に伴い無駄な空調エリアがないかを再チェック。また湿度調整可能な空調 システムの場合は温度設定だけではなく必ず湿度とのバランスをとり風速も活用する。 => 下記、参考資料参照

冷房時の冷気の拡散

扇風機やサーキュレータにより屋内下部に滞留する冷気を攪拌する、あるいは必要な個所に 冷気を集中すること等に努める。

必要に応じてカーテン、ブラインドを活用し冷気を逃がさないようにする

不要時の換気ファンやブロア等のこまめな停止

換気に関しては、これまでのCO2管理だけではなくコロナ対策のためにも適切な管理が求められる。対象空間の容量と使用している換気機器の能力を十分把握したうえで管理を行うことが不可欠である。特に夏場における過剰な換気は空調負荷の大幅な増大につながる可能性がある。このため、空気の流れを意識した執務室のレイアウト変更や熱交換機能付きなどエネルギーロスの少ない換気装置・機器に交換する等の改善、あるいは夜間等に外気温度が下がる場合は建物の空気を入れ替えるナイトパージなどの徹底等を行うことが必要。

無人電気室等における空調の停止

電気室あるいはサーバー室等に設置されている電子機器類の周囲温度条件は、一般的に 40℃以下とされているが、安全を優先するあまり冷房設定温度が低めになるケースが多く、季節、外気温にかかわらず空調設備は一定で運転されている。この対策としては、まず盤ごとの温度分布実態の把握とネックとなる電子機器類の特定を行い、空調機設置場所、あるいは吹き出し口の見直し、サーキュレータ等の活用、その上での温度設定見直し、季節ごとの空調機運転基準の設定、実施などがある。

[生産・ユーティリティ設備]

蒸気配管保温等断熱の強化、吹きっぱなし蒸気トラップの緊急補修

配管やタンクの保温断熱の強化や補修を行うとともに、蒸気トラップの動作チェックや 蒸気ドレンの熱回収なども検討する。

工場等における冷却や洗浄工程での水の節約

工場等では多量の工業用水、上水を使用しているがこれも安全上や品質維持のため過剰気味になっている例が多い。また管理の煩雑さ等から非生産時にもバルブ開のままとしている例も多い。ポンプの起動頻度の関係もあるが水量の見直しとともにこまめなオンオフ、が省電力となる。その他事務所やトイレの節水も省エネ、省電力となる。

温水供給温度の低減、温水から水使用への切替え等

多量の温水を使用している工場プロセスについては量の削減とともに供給温度見直しや温水代替等を検討する。

ライン停止時、非操業時の設備の電源OFF

設備やラインの停止は電源からのシャットダウンを行う。この際、再起動時の起動電力やエネルギーを比較したうえで実施する。

圧縮空気の供給圧力設定の低減

漏洩個所の特定と修理を行い、各使用先末端での到達圧力や供給配管経路中の減圧弁の 有無等をチェックし供給圧力を見直す。

[その他]

パソコン、コピー機、その他オフィス機器、給茶器、自動販売機等の不要時の電源オフ

テレワーク拡大により使用しないPC、コピー機がないかチェックし、使用していないものはコンセントを抜き待機電力をカットする。

温水洗浄便座の保温・温水の設定を切る

エネルギーのピーク使用を抑制する(シフト)

[空調・暖房]

空調開始時間、冷房開始時間の見直し

ピーク電力抑制のためには、一度に設備や機器を起動せず電力平準化を狙った順次起動が有効、契約電力の低減にもつながり電力コストを下げられる。

[生産・ユーティリティ設備]

業務開始時における設備や機器等の順次起動

ピーク電力抑制のため、この時間帯に休憩時間を組込むとかシフトの交代時間をあてるといったことが有効。

電力需要のピーク時間帯は、 工場等の操業ピッチをダウンする、あるいは操業を一時停止するといった措置の実施

ピーク電力抑制のため、一度に設備や機器を起動せず電力平準化を狙った順次起動が有効。契約電力の低減にもつながり電力コストを下げられる。

生産工程の見直し

ピーク電力抑制のため、生産工程の改編、省略、スリム化等を検討する。

蓄電池の利用

電力から他のエネルギーへの転換や高効率機器等への転換(チェンジ)

[照明]

高効率LED照明への交換

照明におけるLEDの普及は急速に進んでおり、更なる高効率化と共に無線制御システム化も進み、また高天井や農業分野等新しい用途への広がりも期待できる。

[生産・ユーティリティ設備]

自家発の活用

電気加熱からガス加熱あるいはハイブリッド加熱への転換

高効率プロセス機器の導入等

設備の新設や増設時、または老朽次などには、できるだけ高効率の機器を採用するとともに、ポンプやファンなどにはインバータ等、省電力制御装置の導入などが有効。

エネルギー(電力)の全体管理の徹底

エネマネ等の活用

FEMS、BEMSの活用あるいは導入により電力等エネルギー管理を強化する。

電力使用に関する節電目標の設定と対策の優先順位づけ

デマンド監視装置等を利用して、事業所全体と各設備がいつどれだけの電力を使用しているか等の電力使用状況を把握し、実施可能な節電目標(ピーク電力の削減目標)を設定する。 電力デマンド監視により契約電力の超過が予測される場合や節電目標の達成困難が予測される場合などに備えあらかじめ電力使用削減の対策(例えば照明の消灯、空調の温度設定変更あるいは一次停止など)を決めておき従業員に周知徹底する。
【参考資料】
■事務所等の冷房における快適省エネ手法例
室温の設定を28℃に上げた場合、不快となるケースがある。(A => D)
以下の手法等で、快適性を向上させることが可能。
  1.8 設定+気流の有効活用(サーキュレーター、扇風機など)(D => C)
  2.湿度コントロールが出来る場合には、湿度アップ+温度ダウン(D => B)
湿度コントロール方法(概要)
  冷水を利用した空調の場合 : 冷凍機出口の冷水温度を上げる。
  冷媒を利用した空調の場合 : 膨張弁を調整し、冷媒の蒸発温度を上げる。image
■関連リンク先
■省エネ・節電参考雑誌