当小委員会は、テレビジョン受信機及びビデオテープレコーダーのエネルギー消費効率等について、テレビジョン受信機及びビデオテープレコーダーの製造事業者又は輸入事業者(製造事業者等)の判断の基準となるべき事項について審議を行い、以下のとおりとりまとめを行った。
T.テレビジョン受信機について
1.対象とする範囲
テレビジョン放送受信機能を有する直視管型テレビジョン受信機であって、交流電源(定格周波数50Hzまたは60Hz、定格電圧100V)を使用するもの。ただし、放送局等の用途に供するために製造される特殊な仕様のもの、技術的に開発段階にあるもの、技術提案型のもので将来の不確定要素が高いものを除く。(別添 1参照)
2.製造事業者等の判断の基準となるべき事項等
(1)目標年度 2003年度(別添 2参照)
(2)目標基準値
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各テレビジョン受信機製造事業者等が目標年度に国内向けに出荷するテレビジョン受信機について、(3)で定める方法により算定した消費電力量を下表の区分毎に各事業者の出荷台数で加重平均した数値が目標基準値を区分毎に各事業者毎の出荷台数で加重平均した値を上回らないようにすること。(別添 3参照)
走査方式 | ブラウン管 アスペクト比
| 区分 | 機 能 | 目標基準値 算定式
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通常走査 | 4:3 | 偏向角度が 100度以下 | 1) | 基本モデル | EM=2.5S+32 |
2) | VTR内蔵 | EM=2.5S+60 |
偏向角度が 100度超 | 3) | 基本モデル | EM=5.1S− 4 |
4) | VTR内蔵 | EM=5.1S+24 |
16:9 (ワイドテレビ)
| 5) | 基本モデル | EM=5.1S−11 |
6) | VTR内蔵 | EM=5.1S+17 |
7) | 付加機能1 | EM=5.1S+ 6 |
8) | 付加機能2 | EM=5.1S+13 |
9) | 付加機能3 | EM=5.1S+59 |
倍速走査 | 16:9 | 10) | ハイビジョン | EM=5.5S+72 |
16:9/4:3 | 11) | ハイビジョン以外 | EM=5.5S+41 |
EM:年間消費電力量目標値(kW・h/年)
S :ブラウン管型サイズ
・ | 上記目標基準値算定式は、トップランナー方式の考え方を基に作成したものであるが、年間消費電力量とサイズとが正の相関関係にあることから、各区分ごとに単一の目標値とはせず、将来の技術進歩も加味し、サイズを変数として目標基準値が算出される計算式を設定している。 |
・ | 上記目標基準値算定式は、できるだけ最新の情報データを基に検討した。 |
・ | フラット型ブラウン管(ブラウン管表面の中心と周辺部の間の最大落差値のブラウン管の対角寸法値に対する百分率比が0.5%以下のもの(周辺部及び対角寸法の測定位置は有効画面プラス5mm以内のこと))を使用したテレビジョン受信機(以下「フラット型テレビ」という。)は、従来型ブラウン管を使用したテレビジョン受信機 (以下「従来型テレビ」という。)に比べ、構造的理由等から高圧電力の必要性やフォーカス改善のための使用電力量等が必然的に増加する。このため、現在商品化されているもののデータを参考として、上記区分1)2)5)6)7)8)9)のうちフラット型テレビについてはそれぞれの目標基準値算定式により得られる値に10を、3)4)のうちフラット型テレビについてはそれぞれの目標基準値算定式により得られる値に25を加えた数値を目標基準値とする。(加算値の詳細及び加算値適用の基本的考え方は別添 3を参照) |
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(3)測定方法
| 年間消費電力量をエネルギー消費効率とし、目標基準値に対応するエネルギー消費効率は、以下の計算式に基づいた電力量E(kW・h/年)とする。
E={(PO−PA)×t1+PS×t2}/1000(kW・h/年)
E :年間消費電力量(kW・h/年)
PO :動作時消費電力(W)
PA :節電機能等による削減電力(W)
PS :待機時消費電力(W)
t1 :年間基準動作時間(h)1642.5(365日×4.5時間)
t2 :年間基準待機時間(h)7117.5(365日×19.5時間)
なお、試験条件、測定計算条件等の詳細は別添 4を参照 |
(4)表示事項
| テレビジョン受信機の表示に関する事項は家庭用品品質表示法の定めるところによる。なお、主要な事項は次のとおり。 |
1) | 表示事項:表示者の名称、年間消費電力量(表示単位はkW・h/年とする) |
2) | 表示はテレビジョン受信機本体に消費者の見やすい箇所にわかりやすく表示すること。 |
3) | 年間消費電力量の数値は整数で表示する。 |
3.省エネルギーに向けた提言
(1)使用者の取り組み
1) | 使用者は、テレビジョン受信機の購入の際には、エネルギー消費効率の高いものの選択に努めること。 |
2) | 使用者は、エネルギー消費量の削減を図るため、節電機能等を持つテレビジョン受信機については、当該機能の利用に努めること。 |
(2)製造事業者等の取り組み
1) | 製造事業者等は、テレビジョン受信機の省エネルギー化のための技術開発を促進し、エネルギー消費効率の高い製品の開発に努めること。 |
2) | 製造事業者等は、使用者に節電機能の活用を促すため、節電機能等を持つテレビジョン受信機については、あらかじめ当該機能が働いている状態にして出荷するよう努めること。 |
3) | 製造事業者等は、エネルギー消費効率の高いテレビジョン受信機の普及のため、これについての使用者の理解の促進を図るよう努めること。 |
(3)政府の取り組み
| 政府は、エネルギー消費効率の高いテレビジョン受信機の普及を図るため、使用者及び製造事業者等の取り組みを促進するよう政策的支援及び普及啓発等の必要な措置を講じるよう努めること。 |
U.ビデオテープレコーダーについて
1.対象とする範囲
交流の電路(定格周波数50Hzまたは60Hz、定格電圧100V)に使用されるもの。ただし、デジタルビデオテープレコーダー、ハイビジョン対応のビデオテープレコーダー、チューナーがないビデオテープレコーダー、デジタル放送受信機内蔵ビデオテープレコーダー及び放送局等の用途に供するために製造される特殊な仕様のものを除く。
(別添 5参照)
2.製造事業者等の判断の基準となるべき事項等
(1)目標年度 2003年度(別添 6参照)
(2)目標基準値
| 各ビデオテープレコーダー製造事業者等は目標年度に国内向けに出荷するビデオテー プレコーダーについて、(3)で定める方法により測定した消費電力を下表の区分毎に各 事業者ごとの出荷台数で加重平均した値が目標基準値を上回らないようにすること。
(別添 7参照)
区 分
| 画 質
| BSチューナーの 有無 | 機 能 | 目標基準値 |
1) | 高 画 質
| BSチューナー付 | 水平解像度が400本以上の信号の処理能力を有するものであって、衛星放送受信機能を有するもの | 2.5W |
2) | そ の 他 | 水平解像度が400本以上の信号の処理能力を有するものであって、衛星放送受信機能を有しないもの | 2.0W |
3) | 高 画 質 以 外
| BSチューナー付 | 衛星放送受信機能を有するもの | 2.2W |
4) | そ の 他 | 衛星放送受信機能を有しないもの | 1.7W | |
・ | ダブルカセット型のビデオテープレコーダーについては、上記区分毎の目標基準値をそれぞれ1.6倍して得られる値を目標基準値とする。 |
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(3)測定方法
| 待機時消費電力をエネルギー消費効率を判断する尺度とし、以下の方法により測定した消費電力をW単位で表した数値とする。 |
1) | 交流電源(定格周波数50Hzまたは60Hz、定格電圧100V)が供給されている状態で、ビデオテープレコーダーの電源を切った状態であってリモートコントロールによる操作が可能な状態で測定する。 |
2) | 時刻等の表示機能であって、表示・非表示を選択できるものにあっては以下の式により算出する。(別添 8参照)
待機時消費電力(W)=Pd on−(Pd on−Pd off)×0.2
Pd on = 表示状態の待機時消費電力
Pd off = 非表示状態の待機時消費電力 |
3) | ビデオテープレコーダー本体以外へ電源を供給している場合にあっては、その供給電力は含まないものとする。 |
(4)表示事項
1) | 表示事項については、次の事項を表示する。
イ.品名及び型名
ロ.待機時消費電力(表示単位はWとする)、ただし、時計表示等の表示・非表示を選択できる機種の場合はそれぞれの状態における待機時消費電力及び前項の測定方法によって算出された電力値を表示することとする。
ハ.製造事業者等の氏名又は名称 |
2) | 表示場所については、そのビデオテープレコーダーに関するカタログ及び取扱説明書に表示することとし、上記ロ.の電力量についてはアンダーラインを引く等消費者にわかりやすく表示すること。 |
3) | 上記ロ.により表示する数値は、少数点第1位まで表示する。 |
3.省エネルギーに向けた提言
(1)使用者の取り組み
1) | 使用者は、ビデオテープレコーダーの購入の際には、エネルギー消費効率の高いものの選択に努めること。 |
2) | 使用者は、エネルギー消費量の削減を図るため、節電機能等を持つビデオテープレコーダーについては、当該機能の利用に努めること。 |
(2)製造事業者等の取り組み
1) | 製造事業者等は、ビデオテープレコーダーの省エネルギー化のための技術開発を促進し、エネルギー消費効率の高い製品の開発に努めること。 |
2) | 製造事業者等は、エネルギー消費量の削減を図るため、節電機能等を持つビデオテープレコーダーについては、あらかじめ当該機能が働いている状態にして出荷するよう努めること。 |
3) | 製造事業者等は、エネルギー消費効率の高いビデオテープレコーダーの普及のため、これについての使用者の理解の促進を図るよう努めること。 |
(3)政府の取り組み
| 政府は、エネルギー消費効率の高いビデオテープレコーダーの普及を図るため、使用者及び製造事業者等の取り組みを促進するよう政策的支援及び普及啓発等の必要な措置を講じるよう努めること。 |
V.その他
1.小委員会の開催経緯(別添 9参照)
2.委員名簿(別添 10参照)
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