(参考)
白熱灯器具の取扱いについて

1.白熱電球は、暖かみのある光色を持ち色の再現性が高い光源であり、小形で安定器も不要という特質を持ち、照明器具としてもその設計自由度が高く、一般家庭、商用ビル等において広く使用されている。
一方、発光原理上、エネルギー消費効率は最も一般的な60W形で14.2lm/W(JISC 7501)と低い。また、個々の器具による効率の差もほとんどなく、今後も以下の理由から大きな改善は期待できない。

@フィラメント設計の変更による改善
フィラメントはコイル状の巻線構造となっており、コイルを密に巻く程効率は改善されるが、この精度も限界に近く、更なる改善は、製品寿命が短くなる、振動に対する耐久性が損なわれる等のデメリットが生じる。
A封入ガス及び封入圧の変更による改善
現行アルゴンガスに代替するものが期待されるが、コスト等含めた評価ではアルゴンガスより効率の良いものは見あたらない。封入圧についてもガラス加工上限界に達している。
Bフィラメント材質の変更による改善
より融点の高い素材を利用することによりフィラメント温度を高め、可視光放射を増加させることが期待されるが、寿命、機械的強度、コストの面から、現在の技術では新規素材の開発は期待できない。
2.一方、白熱電球が開発されてから約120年が経過した中で、光源としては蛍光ランプの開発等大きな技術進歩があったが、ここ20〜30年の経過をみても白熱電球の画期的な効率改善は期待できず、むしろ省エネルギーの観点からは、ライフスタイルの見直しの中で、白熱灯器具を可能な限り蛍光灯器具に置き換える等の取り組みを図っていくことがより重要である。

対象とする「蛍光灯器具」の範囲表(表 1)

グループごとの消費電力量の比較(表 2)


Source:MITI / Copyright(C) 1996-1999 ECCJ [戻る]