(別添 2)
目標設定のための区分

1.エネルギー消費効率の指標
(1)基本指標は、従来の基準と同様、複写速度(枚/分)とする。
(2)平成10年4月1日現在で出荷されている複写機(除外品を除く)のエネルギー消費効率のデータの分布は次のとおり。

複写機のコピー速度とエネルギー消費効率

複写機の特徴
区分 機種数 特徴 主なユーザー
A4機 16 ・コピー速度が3枚/分〜12枚/分と遅いため、コピー釦が押され、コピー紙が定着器に届く前に、所定の定着温度に到達し、コピー終了後はオフモードになるものが多い。
・定着幅が小さいこと、定着器の加熱ローラの薄肉化により、ウォームアップタイムが短縮化された。
・従って、待機時の消費電力が極めて少なくなり、エネルギー消費効率は大幅に向上した。
・A4機ほどではないが、定着器の加熱ローラの薄肉化によりエネルギー消費効率が大幅に向上した。
家庭、個人商店、スモールオフィス等
B4機 14 ・コピー速度がA4機より8枚/分〜14枚/分と速く、定着幅がA4機より大きくなる。 スモールオフィス、個人商店等
A3機 138 ・コピー速度が12枚/分〜85枚/分と幅広く分布している。
・平均的に見ると、定着器を始めとする複写機の各部の改善により、エネルギー消費効率が向上した。
一般オフィス
A3Y機 6 ・コピー速度が67枚/分〜82枚/分と高速機となっている。
・大きいサイズのコピーがA3機よりも高速にコピーできるなどの利点から、ユーザーニーズが高い一方、定着器の幅が大きいため、エネルギー消費効率の向上は上記3機に比べると難しくなっている。
一般オフィス、コピーセンター

2.区分の設定
(1)最大コピーサイズ(最大通紙幅)により、A4、B4、A3、A3Yのサイズごとに区分する。
理由:最大コピーサイズ(最大通紙幅)は、定着部の長手幅や照明ランプの長さ等と関係しており、エネルギー消費効率と相関関係にある重要な物理量である。
したがって、このような最大コピーサイズ(最大通紙幅)の違いにより、エルギー消費効率が変わるため、これを用いて区分を分ける。
(2)上記区分のそれぞれについて、複写速度に応じた区分の設定を行う。
この際、今後の製品の出荷の可能性にも配慮した形で、区分設定を行うものとする。
A4、B4については、製品が出荷されている20枚/分までの範囲については、10枚/分毎に区分の設定を行う。また、複写速度が21枚/分以上の製品は、現在出荷されていないが、今後、出荷された場合も想定して、10枚/分毎に区分を設ける。
A3については、0枚/分から85枚/分の範囲で10枚/分毎(81枚/分以上のところは81〜85枚/分)に区分の設定を行う。
A3Yについては、製品が出荷されている61枚/分から85枚/分の範囲で、10枚/分毎(81枚/分以上のところは81〜85枚/分)に区分の設定を行う。また、複写速度が60枚/分以下の製品は、現在出荷されていないが、今後、出荷された場合も想定して、10枚/分毎に区分を設ける。
注)複写機では、その複写速度に応じて、定着器の加熱ローラの外径及び肉厚が異なっている。この外径及び肉厚は、おおよそ複写速度が10枚/分毎に、高速機になるほど大きく厚くなっているのが一般的である。

このため、こうした定着器に関する技術的要因を基に、10枚/分毎に基本的な区分設定を行うことが適切と考える。

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