•  ヒートポンプ 

    ある製麺工場ではボイラで加熱した98℃のゆで槽で麺を加熱し、次の工程では2℃の冷水で冷却しています。
    老朽化しているチラーを、チラーに比べて効率の高い冷温同時供給タイプのヒートポンプ(図2のHP)に更新し、貯湯槽も新設します。
    同時に、従来は18℃の井戸水を直接ボイラ蒸気で加熱していましたが、改善後はヒートポンプによる冷水製造の回収熱で給水を60℃に加熱し、ボイラの負荷低減による省エネ及び電化による脱炭素を図ります。
    空冷チラーを冷温同時供給ヒートポンプに更新する場合の効果を計算します。

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    1.効果試算

    (1)計算式

    電力使用量 冷却熱量(GJ/年)÷冷却COP÷0.0036(GJ/kWh)
    HP加熱量 冷却熱量(GJ/年)÷冷却COP×加熱COP
    ボイラ加熱熱量(改善後) 加熱熱量(GJ/年)- HP加熱量(GJ/年)
    燃料使用量(改善後) ボイラ加熱熱量(GJ/年)÷ボイラ効率÷燃料低位発熱量(GJ/千m3)

    (2)試算の前提条件

    水の比熱 4.2MJ/(t・K)
    用水温度 井戸水18℃
    冷水(2℃)量 6t/h×5h/日×300日/年=9,000t/年
    冷却熱量 9,000t/年×(18℃ー2℃)×4.2MJ/t・K=605GJ/年
    熱水(98℃)量 3t/h×5h/日×300日/年=4,500t/年
    加熱熱量 4,500t/h×(98℃ー18℃)×4.2MJ/t・K=1,512GJ/年
    現状熱源 空冷チラー(COP 1.6)、ボイラ(効率85%)
    燃料発熱量 (都市ガス13A):低位41GJ/千m3
    改善後熱源 ヒートポンプ(加熱COP 2.75、冷却COP 1.75)
      *蓄熱損失、ポンプ動力等その他の増減はないものとしました。
       
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    2.効果
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    (参考:「工場の省エネルギーハンドブック2023」、一般財団法人省エネルギーセンター)