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(参考資料1-8)
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8.省エネが求められている背景と課題
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バブル経済の全盛期に肥大した冷蔵庫仕様の見直しを含め、環境問題を解決するため多くの問題解決が迫られている。
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オゾン層保護対策
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モントリオール議定書遵守のため95年末にCFCs全廃を達成したが、代替物質の採用は冷蔵庫のエネルギー効率を低下させる方向に作用しており、リカバリー対策が必要である。 |
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しかし、当初10%以上の消費電力量増加を予測していたところ、5%以内の増加に止まっており、省エネに対する各社の努力は認められる。 |
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HFC冷媒等の採用に際しては性能・信頼性確保に重点をおいた開発を行ってきた。現在まで重大な市場クレームも発生していないことから、今後は極限を狙った最適化設計を進める必要がある。 |
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日本の冷蔵庫断熱材は、HCFC−141b及び、CP(シクロペンタン)の2路線が採用されている。 しかし、HCFC−141bは省エネ面で良好なるも過渡的物質なため2004年までに再転換が必要であり、一方CPは物質的に断熱特性が劣るという難点がある。 |
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このためJEMAでは、高効率家庭機器開発のために国庫補助を受け、次世代断熱材開発の協同研究を進めている。
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地球温暖化防止対策
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電気冷蔵庫のLCI(ライフサイクルインベントリー)結果
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温暖化ガスであるCO2の総排出量を算出の結果、95%が冷蔵庫使用中の電力消費に起因するものであることが判明している。
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電気冷蔵庫の環境影響評価にあっては、省エネ性評価が最優先されるべき事項。 |
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電力量増減は値が僅かであっても、地球温暖化評価に及ぼす影響は大。 |
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ユーザーに対する「省エネになる上手な使い方」の啓蒙が何よりも重要。
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[表1]冷蔵庫のCO2、SO2及びSOxの排出の計算結果
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フロン対策前 |
フロン対策後 |
CO2 |
SO2 |
SOx |
CO2 |
SO2 |
SOx |
全排出量 |
4069.8kg |
3.4kg |
3.4kg |
4274.6kg |
3.6kg |
0.1kg |
製造工程 |
5.3% |
6.9% |
1.4% |
5.2% |
6.8% |
1.3% |
使用段階 |
94.6% |
93.0% |
45.0% |
94.7% |
93.2% |
45.8% |
廃棄段階 |
0.1% |
0.1% |
53.6% |
0.1% |
0.0% |
52.9% |
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NEDO(H7/3)報告書より (社)産業環境管理協会 ISO/LCA(家電)研究委員会、及び JEMA冷蔵庫技術専門委員会 調べによる。 ・400L形標準仕様4ドア 冷凍冷蔵庫業界平均値 |
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改善検討すべき課題
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費用対効果の面でめぼしい省エネ技術は既に製品に折り込まれており、今後は落ち穂拾い的な対策の実行が中心となろう。いずれにせよ僅かな省エネ効果を求め、数多くのアイテムを積上げるしか解決する方法はない。
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1) |
フロン対策技術の洗練化とエネルギー効率低下のリカバリー対策 |
2) |
過去実行し捨てられた省エネ技術の再評価と復活 |
3) |
新規ハイテク技術(インバータ・最適制御等)の応用検討 |
4) |
機器使用に関するソフト面での情報整備と発信
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