| ○ | 乗用自動車について、直噴等エンジン搭載車は、わずか6%(97年度出荷ベース)程度しか投入されていないものの、燃費向上の観点からは有効な技術である。 |
| ○ | しかしながら、
− | 直噴等エンジンは、従来型エンジンよりも薄い混合気で燃焼させるため、排出ガス規制が更に強化された場合には、理論空燃比領域を主体とした現在の三元触媒での対応に限界がある。このため、排出ガス規制の強化に対応するためには、直噴等エンジンに適した触媒(リーンNOx触媒等)の開発が不可欠であるが、これらの触媒技術への対応は現時点で確実と言える状況にはなく、この観点からは、解決すべき課題が多く存在している。 |
− | また、直噴等エンジンは、小排気量の車両及び積載、加速度等負荷条件の大きい用途に用いる車両にあっては、成層燃焼領域の使用頻度が減少することから燃費改善効果は減少する。
という問題がある。 |
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| ○ | また、直噴等エンジンは燃費面で効果が大きい技術なので、直噴等エンジン搭載車を単純にトップランナーとした場合、100%投入しないと達成できないような目標設定をすることとなる。しかしながら、直噴等エンジンは、上記のような問題があることから、こうした目標値を設定した場合、1)従来型エンジンの開発を阻害するおそれがあり、また、2)従来型エンジンの生産ラインが解消されることとなるため、迅速に代替する生産体制を構築することが困難となり、生産に大きな支障を来し大きな経済損失が発生するおそれがある。 |
| ○ | 従って、全ての車に直噴等エンジンを搭載することを前提にした燃費基準を策定するよりも、直噴等エンジンと従来型エンジンの両方の存在を前提としつつ、それぞれの方式について燃費向上を進めていくことが必要である。 |
| ○ | このような考え方に基づき、直噴等エンジン搭載車が最も燃費の良い車となっている区分の目標基準値設定に当たっては、直噴等エンジン搭載車と従来型エンジン搭載車を対等(直噴等エンジン搭載車:従来型エンジン搭載車=50:50)に取り扱い、それぞれの最大限の技術改善と燃費向上が期待できるよう目標基準値を設定することとする。 |