省エネと再エネ熱利用はセットで考える
- 省エネの次の一手は「再エネ熱利用」です。 皆さんはこれまで高効率設備導入、断熱強化、運転改善などの省エネルギーを実施してきたと思います。 しかし、脱炭素をさらに進めるには、省エネだけでは限界があります。
- 脱炭素の基本ステップを以下のように考えてみましょう。
- ① エネルギー使用量を減らす(省エネ)
② 必要な熱を再エネ熱へ置き換える
- なぜこの順番が重要なんでしょうか?
- 省エネにより必要熱量が減る。
- 再エネ設備容量を小さくできる。
- 再エネ利用の初期投資を抑えられる。
- 設備利用率が向上し、経済性が改善した利用が可能になる。
- 「まず省エネ、その上で再エネ熱利用」が最も合理的な脱炭素の進め方です!
再エネ熱利用は"適切な導入量"が重要
- 再エネ熱は「ベース熱源」として活用しましょう。
- 再エネ熱は化石燃料に比較して表1に示す様な特徴があるので、それを考慮した利用方法が重要となります。
- 導入時の考え方:再エネ設備を最大化するのではなく以下のように考えてみましょう。
- 年間を通じて安定利用できる熱需要
- ベース負荷を対象に導入
- 不足分は既存熱源で補完
- 理由
- 設備利用率が高くなる
- 投資回収しやすい
- 過大投資を防げる
- 安定した熱供給を維持できる
- 再エネ熱は「100%置換」ではなく、「ベース運用」により経済性と安定供給を両立することが重要です!

代表的な再エネ熱
- 利用可能な再エネ熱資源熱源を表2に示します。
- 共通する特徴
- 地域条件に応じて利用可能性が異なる。
- 熱源の温度・量・利用時間を事前に確認することが重要。
- 熱需要とのマッチングが導入成功のポイント。
- 以下のステップで経済性と脱炭素を両立した熱利用システムを構築しましょう!
- ✓ 省エネで熱需要を減らす
- ✓ 再エネ熱をベース熱源として導入する
- ✓ 化石燃料を補助熱源として組み合わせる

具体例:帯水層蓄熱を空調に利用
- 地下の帯水層(地下水を含む地層)を蓄熱槽として利用し、季節をまたいで熱を蓄え、空調に利用するシステムです。
- 仕組み
夏:冷房で利用した後の冷たい地下水や冷熱を帯水層に戻して蓄え、または冬に利用するための温熱を蓄えます。
冬:帯水層に蓄えた熱(または冷熱)をくみ上げ、ヒートポンプと組み合わせて暖房(または冷房)に利用します。
利用後の地下水は、再び帯水層へ戻すことで地下水資源を循環利用します。

再エネ熱の供給温度と需要温度との関係
- 再エネ熱の供給温度Tsと需要温度Tdの関係は図1のようになっています。
- 図中のオレンジ線は45度線です。これより上部と下部では利用方法は下記の様に異なります。
- 45度線より上部:Ts>Tdになっていますので熱交換器を介して利用(設備投資額は低め)
- 45度線より下部:Ts<Tdになっていますので熱交換器+HPを介して利用(設備投資額は高め)
- みなさんの事業所で利用できる再エネ熱温度と利用したい温度を打点し、利用方法、費用対効果の概要を理解しましょう。
