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ヒートパターン
工業炉の空間的又は時間的温度分布。製品の品質を確保しながらエネルギー原単位を最小に抑えるために、内部の代表点温度を計測して炉内ヒートパターン(被加熱物)の温度差を出来るだけ小さくするか、炉出口排ガス温度が低下するヒートパターンを探索してみる。この結果、排ガス温度が下がれば、燃料消費量を低減できる。ベストなヒートパターンが探索できたら、これを運転マニュアル化する。連続炉では立ち上げ後の時間的温度分布が安定した状態で操業に入るので、空間的温度分布だけを考慮すればよいが、、バッチ炉では起動停止が頻繁に行われるので、更に時間的温度分布も考慮する必要がある。
ヒートバランス(熱勘定)
熱エネルギーを利用するプラントやシステムで、どのような入熱がありどのような出熱があるか、を勘定することによりそのプラント(システム)の操業、運転状態を詳細に把握することが出来る。工業炉の例ではエネルギーがどのように投入され、どのように使われるかを計算することを熱勘定というが、いわば炉の健康診断と言ってもよい。またエネルギーが浪費されている部分はないか、をデータに基づき解析すれば、エネルギーの無駄遣いの問題点が明らかになり、その問題箇所に対策を打って、よりよい操業状態にもってゆくことにより、省エネを達成することが出来る。入・出熱項目の一例として工業炉の例を示す。

ヒートポンプ

電気などのエネルギーにより、温度の低い部分から温度の高い部分に熱を移動させる装置。冷媒の圧縮・膨張による潜熱(気化熱)の移動を応用したもの。
熱移動による冷却効果は古くから冷蔵庫、冷凍庫、冷房などに使われてきたが、近年、熱回収による加熱効果が暖房・給湯などに応用されている。

表面放散熱量
高温の固体表面から周囲環境に放散する熱量。工業炉の炉壁の単位面積からの放散熱量Qは次式で計算する。
Q(W)=対流放散熱量Qc(w)+放射放散熱量Qr(w)
Qc=a×(刄ニ)1.25、刄ニ=Tf-T0、Tf:表面温度(K)、T0:環境温度(K)、a:自然対流面の向きに関する係数:天井=3.26、側壁=2.56、炉床=1.74 Qr=5.67ε[(Tf/100)4-(T0/100)4]、ε:固体表面放射率(黒体面の放射能=1とした時の表面放射能の比率)。材質、表面粗さ、温度、汚れ具合等で異なるが、通常は1より小さい。
ビル管法
この法律の正式名称は「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」である。建築物衛生法と略することがある。厚生労働省が所管し、保健所が関与する。3000m2以上の建築物(学校は8000m2以上、病院は除外)には適用される。建築物の所有者などは、法の定める建築物環境衛生管理基準を維持しなければならない。このため、ビルの空調についても、この規制を受ける。
ビルマルチ
パッケージ型空調機の機能を拡大して、複数台の室内機を1台の室外機で運転制御するマルチパッケージ型空調システム「ビルマルチエアコン」がビルマルチである。経済性、利便性、信頼性と省エネルギー性に優れ、さらにビル利用の多角化、個別空調への高まりとあいまって、著しい普及が見られる。
ピンチテクノロジー
プロセスシステムでは、冷却を要する流体と、加熱を要する流体が混在している。プロセス流体を与熱側と受熱側に分類して、複数の与熱流体に対して、同じ温度区分の熱量を統合すると「与熱複合線」が得られる。同様に複数の受熱流体からなる「受熱複合線」が得られる。これらを重ね合わせて「熱複合線図」を作成することが出来る。与・受熱複合線を、熱量軸に沿ってずらすことによって、プロセス流体間の理論的な最大熱交換量を推算することが出来る。又、与熱複合線と受熱複合線が接する点を「ピンチポイント」と言う。
参考文献:(ピンチテクノロジー:巽 浩之・松田 一夫 共著、(財)省エネルギーセンター 出版)
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