ECCJ Home | 平成23年度「省エネ大賞」受賞者の決定について | 「省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)」受賞内容

平成23年度「省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)」受賞内容

■ 経済産業大臣賞

製品(業務)分野 東芝
キヤリア
株式会社

熱源機 「ユニバーサルスマートX」
RUA-SP24他基本型式全3機種の組合せ

本製品は、ビル空調や産業・プロセス用として、ユーザーの多様なニーズと多様な熱需要に極めて柔軟に対応できる空冷ヒートポンプ式モジュール熱源機である。大容量インバーターツインロータリー圧縮機を開発することにより、部分負荷時にも過剰な圧縮を行わない運転が可能となり、部分負荷効率の大幅な向上を図り、冷却定格COPは業界トップ6.3、部分負荷時の最高冷却COPは16.0を実現、従来機比31%の省エネを達成するとともに、軽量化、エネルギーの見える化、1モジュールの冷媒回路を4分割してリスク分散化など総合的な改善が図られている。

製品(家庭)分野 シャープ
株式会社

液晶テレビ 「AQUOS L5シリーズ」
LC-60L5他全4機種

本製品は、光配向プロセス技術を採用し、従来の液晶パネルで必要であったリブ・スリットをなくすことでバックライトの透過率とコントラスト比を向上し、また、青赤緑に黄色を加えた4原色パネルを採用して色再現範囲を拡大するとともに、バックライトに用いる白色LEDの光で、3原色フィルターでは透過されずに無駄になっていた黄色光の利用により前衛機比約30%の省エネを実現した。さ らに、バックライトを映像に応じて輝度を調整するとともに液晶の開口を制御するバックライト制御技術の採用によりバックライトの高効率化を図っている。これらの新技術の採用により、各インチサイズのカテゴリーにおいてトップクラス(平成23年11月時点)となる省エネ基準達成率を実現している。

ビジネスモデル分野 株式会社
日立製作所
情報制御
システム社

日立モータドライブ省エネサービス 「HDRIVE®」

本モデルは、コスト、信頼性などの点で導入に踏み込みにくい大容量タイプのインバーターの導入を、その製造企業が初期投資不要で、導入計画から運用調整・メンテナンスまで、ハードとソフトの両面から総合的にユーザーと契約を結ぶことにより、省エネ機器の導入拡大を図る事業である。高圧モーターと400kVA以上の大容量インバーターを対象として、石油化学、セメント等の大規模事業所や工場へ導入し、2001年の事業開始からこれまでに累計360GWh(2011年5月)の省エネ、原油換算では9万klの削減、CO2換算では13.8万tの削減実績を着実にあげ、今後も導入普及による省エネ効果が期待される。

節電賞 パナソニック株式会社
アプライアンス社

節電対応ピークカット自動販売機 「魔法VIN自販機」
N-EV1120S5、N-1G20W

本製品は、ピークカット機能の可変設定が可能で、真空断熱材を使用した高断熱筐体の採用、ヒートポンプサイクルと冷却サイクルを分割した2コンプヒートポンプシステムの採用及び加温・冷却範囲の拡充により、夏場は電力需要の少ない夜間の冷やしこみで、昼間は11時間冷却停止しながら、商品を適温維持できる。また、冬場は冷却庫を11時間冷却停止し、加温庫は高効率ヒートポンプ運転のみの低入力加温で商品を適温維持できる。また、エネルギー消費効率においても、540kWh/年(N-EV1120S5)、570kWh/年(N-1G20W)を実現した。電力需給逼迫から自動販売機の節電が求められる中、短期間に時代のニーズに合った製品開発が評価された。

■ 資源エネルギー庁長官賞

製品(業務)分野 株式会社
東芝
セミコンダクター&ストレージ社

記憶媒体「エンタープライズ用SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」
MK4001GRZB他全3機種

本製品(eSSD)は、記憶媒体として32nm NANDフラッシュメモリを業界に先駆けて適用した製品であり、優れたランダムアクセス性能により、消費電力当たりの処理能力(IOPS/W)は、HDDに対し、読出し70%、書込み30%のアクセス比率において、約250倍ほど処理能力が改善した。本製品が、クラウドコンピューティングやデータセンターのストレージシステムとして、eSSDと高・低速大容量HDDとを組合せて組み込まれることによって、ストレージシステムの省エネ、省スペースのみならず施設の電源設備や空調設備の省エネ化が期待される。

製品(家庭)分野 パナソニック株式会社
アプライアンス社

電気冷蔵庫「エコナビ搭載冷蔵庫」
NR-F556XV、NR-F506XV

本製品では、空気吸着材の採用により真空断熱材の真空度を同社従来品から大幅に低減し断熱性能を向上、トルク制御インバータ技術の採用などによる圧縮機の機械損失低減及び振動抑制、冷媒配管にアルミニウムフィンを螺旋巻き構造にしてアウターコンデンサの放熱性能改善、及び引き出し部の側面ガイドレールを底面近くに移動したアンダーレール機構の採用によりケース引き出し時の冷気漏れ低減等により、トップクラスのエネルギー消費効率を実現している。また、照度センサーによる夜間自動節電、ライフスタイル学習節電など「エコナビ」による節電機能を搭載している。

節電賞 三菱電機
株式会社

家庭用エアコン「霧ヶ峰」
MSZ-ZW362S、MSZ-ZXV362S

本製品は、人中心の快適性を考え、体感温度を考慮して無駄を省く冷房能力3.6kWクラスのエアコンである。独自技術であるサーモパイル型赤外線センサームーブアイの技術を利用した体感温度制御に加えて、世界で初めてSiC半導体搭載の高集積回路素子を導入することによるインバーター効率の向上、ロータリー・コンプレッサーの高効率化、冷房と送風並びに暖房とサーキュレータのハイブリッド運転、リモコンに節電行動をアシストする機能の搭載など、ハード、ソフト両面の高度な技術力を統合した製品である。ムーブアイを使用することによる省エネにハイブリット運転を併用することで実使用時においても高い省エネ性能を達成し、節電に貢献している。

■ 省エネルギーセンター会長賞

三菱重工業株式会社

マイナス25℃でも使用可能な高効率CO2ヒートポンプ式給湯機 「キュートン」ESA30-25

本製品は、中間期COP4.3を達成し、外気温が-7℃まで加熱能力を維持しながら低外気温時のエネルギー効率を従来比38%向上、且つ-25℃まで運転可能な業務用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機である。心臓部は、同社開発の世界初のスクロータリー式二段圧縮機で、ロータリー式とスクロール式の圧縮室を併せ持ち、各々の特性を生かし冷媒を二段で圧縮することで圧縮行程での漏れ損失を低減し、高い圧縮効率を得ることができる。また2つの圧縮機構間の中間圧ハウジングに冷媒ガスをインジェクションすることで能力が向上する。以上により、本製品は寒冷地でも対応可能な高い省エネ性を実現した。

パナソニック株式会社
エコソリューションズ社

照明器具 「LED防犯灯アカルミナ」
NNY20430LE1他全6機種

本製品は、防犯灯のLED化に加え、薄明視の環境下で人の目の感度が短波長側(507nm)にシフトするプルキンエ現象を応用したアカルミナ機能を搭載し、FL20形蛍光管比62%、FHP32形蛍光管比53%の高い省エネ性を達成するとともに、6万時間長寿命化や39%軽量化(FL20型蛍光管比)による省資源性も有する。また、防犯灯という設置台数の多さや夜間長時間使用などの市場性も高く、導入普及による大幅な省エネ効果が期待される。

熊本電気工業株式会社

照射範囲調整機能型高反射照明器具 「シャインブライト」
SBH-401K他全3型式

本製品は、工場・倉庫・体育館等の照明として多数使用されているHID照明器具(水銀灯等)の反射笠の置換用製品である。反射笠内面にアルミ蒸着、鏡面仕上げにより反射率93%以上を実現し、また、12角形の多面体構造に特殊な膨らみを持たせたことで乱反射をおこさせ、同一定格のランプで1.5倍〜2倍の明るさを得られる。その他、特殊ランプホルダーとの組み合わせで、ランプの高さを調整することにより、照射範囲の調整が可能になり、バランスの良い照度(明るさ)が確保できる。省エネ効果としては非常に高く、投資回収年数が短期間で回収できる為、導入実績も多数。

シャープ株式会社

高輝度対応マルチディスプレイシステム 「インフォメーションディスプレイ」PN-V602

本製品は、省電力化と高輝度化を同時に達成した高性能電子掲示版用マルチディスプレイである。高輝度・高コントラストを実現する高透過率液晶パネル、LEDバックライトシステム、並びにブロックごとに分割したバックライトLEDを個別に輝度制御する機能を採用し、最大消費電力は従来品に比べ輝度2倍以上でも約50%削減、同じ輝度の場合は約70%削減の大幅な省エネ化を実現した(*)。業務用ディスプレイの省エネ機器としての導入普及効果が期待される。 (*) 一定条件における比較。IEC62087 Ed.2.0で規定するブロードキャストコンテンツ(11.6)表示時におけるシャープ(株)での測定結果。表示する映像により効果の度合いは異なる。

株式会社 リコー

デジタルカラー複合機 「Ricoh Pro C901/Pro C901S」

本製品は、印刷製本業務用として開発された、オンデマンド印刷対応高速フルカラー複写機(90枚/分クラス)である。特に、均一性に優れたオイルレストナーの新規開発と定着ローラーの大口径化により、定着温度を20℃低い温度で定着を実現し、また、ダウンサイジングにより低イニシャルコストと省スペース化を図り、本高速機では唯一TEC基準値をクリアし、その基準値よりも35%低い電力消費量の省エネを実現している。

東芝ホーム
アプライアンス
株式会社

電気冷蔵庫 「VEGETA」シリーズ
GR-E50FX、GR-E55FX

本製品は、家庭用500L超級冷凍冷蔵庫において、節電効果の大きい業界唯一のツイン冷却システムを採用することにより、冷凍室冷却器の着霜量を削減し、霜取り周期を延長することにより霜取り時の消費電力を平均40%削減し、夏場の消費電力のピーク電力低減に効果をあげるとともに、省エネ対応として真空断熱材の効果的な配置、冷媒絞り機構やコンパクトな高効率放熱器の採用、更に、節電モードの搭載などのソフト面でも省エネが図られている。

株式会社 コロナ

株式会社 デンソー

自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機 「コロナ プレミアムエコキュート」
CHP-HX37AW1

本製品は、スクロールコンプレッサ、エジェクタサイクル及び水冷媒熱交換器の新開発により、中間期COPを同社従来機(日本冷凍空調工業会規格 年間給湯効率の初年度表示2007年モデル)4.4から5.1へ改善すると共に、タンク保温材の改良により放熱量を11.2%削減し、保温性能を向上させた。更に入浴していない場合のふろ保温による無駄なエネルギー消費を最大36%削減する「省エネ保温」機能や、ユーザーの使用量を学習し適量のみを夜間に沸き上げる「使いきり」制御を採用している。以上の機器の高効率化やユーザーの使用方法を検知して無駄なエネルギーの削減など、市場ニーズを捉えた開発により年間給湯効率が26%向上している。

東芝ホームテクノ
株式会社

DCモーター搭載扇風機 「SIENT」
F-DLN100

家庭部門の省エネ・節電が求められている中、扇風機は夏場のエアコンの設定温度を上げて併用するなど、その有効性が再認識されてきている。本製品は、DCインバーターモーターの採用によりACモーターでは実現できなかった低電力化と風量の他段階切換を可能としている。また、7枚羽根の採用により、低回転域での風量確保と高回転域での静音化を実現した。さらに切/入タイマーを設け、就寝時に運転停止、朝方に運転開始するなどの無駄な電力削減機能を有する。消費電力(首振り無)が同社従来機種35Wに対し16Wとなり約54%消費電力を削減し、トップクラスの省エネ性を実現している。

パナソニック株式会社
アプライアンス社

ドラム式洗濯乾燥機 「エコヒートポンプエンジン搭載 ななめドラム」
NA-VX7100L/R、NA-VX710SL/R

本製品は、ヒートポンプ乾燥方式の省エネ性能向上技術として、熱交換器、コンプレッサ及び乾燥フィルタ部を一体化したコンパクトな「エコヒートポンプエンジン」を開発し、本体上方への設置を可能にすることで、従来より乾燥風路長を約40%短縮して風路抵抗を約20%削減した。これらの技術開発により、定格消費電力量を2004年度製品比83%削減し、洗濯乾燥運転時には670Whとなり業界トップクラスの省エネ性能を実現した。また、衣類の質や汚れを自動で判断し、節電節水運転を行うエコナビを進化させて最大約10%の節電を実現した。

三菱電機ホーム機器
株式会社

レンジグリル 「ZITANG(時・短・具)」
RG-FS1

本製品は、オーブンレンジのレンジ機能を手軽に使えるようにするため、使用頻度の少ない庫内スペースの小容量化による加熱量の削減、レンジからグリルへのリレー加熱方式による調理時間短縮、マイクロ波のらせん状放射加熱方式を用いて加熱ムラ削減による加熱時間短縮により、消費電力半減、省エネ性能はトップレベルを実現した。また、小型化により金属材料45.5%、樹脂材料24.5%削減するなど大きな省資源効果もあげている。

■ 審査委員会特別賞

大阪ガス株式会社

冷温水圧損低減剤 「エコミセルSA」

大型ビル用に採用されているセントラル空調システムにおいて、冷水から温水の広範囲(2〜70℃)で、従来難しかった空調性能の低下を回避できる、有機塩を主体とする管路の圧力損失低減剤「エコミセル」を開発した。この低減剤を導入した事務所では、水ポンプ動力が平均20%低減している。特に、開発した有機塩の配管径によるミセルの生成・崩壊機構を解明し、実際に圧損低減効果と伝熱性能維持を始めて両立させ、既存ビルへの導入実績が96件ある。今後の更なる導入普及による省エネ効果が期待される。

有限会社シミュレーション・テクノロジー

独立行政法人
産業技術総合研究所

千代田化工建設
株式会社

出光興産株式会社

コプロダクションピンチ解析コンサルティングサービス 「JUPITER」

本ヒジネスモデルは、エネルギー(熱)や物質のカスケード利用のピンチ解析手法を進化させ、エネルギーと物質を統合したコプロダクション(熱・物質併産)のピンチ解析ツールを実用化し、これを用いて、コンビナート等の産業間連携によるコプロダクションプロセスの解析・評価を行うコンサルティングビジネスである。具体的なコプロ連携事業の対象事例では原油換算15,000kl/年の省エネ効果が試算されるなど、これまで解析・評価の難しかった異種企業間連携に道を拓き、企業間連携事業の推進による省エネ効果が期待される。

無臭元工業株式会社

活性微生物製剤を用いた排水処理効率改善システム 「M-DOCコントロールシステム」03084-01-01

本ビジネスモデルは、活性汚泥処理方式の排水処理施設に活性微生物製剤を適用し、環境条件の適正化を図ることにより排水処理の省エネと処理水質の向上を同時に実現するシステムである。実際に、溶存酸素(DO)、酸化還元電位、循環処理の適用状況等を適正に管理することにより、馬鈴薯でん粉製造工場事例では既設エアレーター電力を39%削減(CO2年間303t削減)するなど、大きな省エネ効果を実現している。また、処理水質の向上による環境保全の効果も実現している。エネルギー多消費プロセスである汚水処理施設は全国に多数存在し、本モデルの普及による大きな省エネ効果が期待される。

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