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〔通商産業大臣賞〕(2件)(その1)
平成7年度(第6回)
『三菱筒内噴射ガソリンエンジン』
三菱自動車工業株式会社 技術本部
(東京都港区芝五丁目33番8号 TEL03-5232-7644)
 本エンジンは、省資源・環境保全の要求に応えるために開発された画期的なエンジンです。吸気ポートやピストンの形状を工夫して、ガソリンをディーゼルエンジンのように直接シリンダ内へ噴射し、安定した超希薄燃焼を実現しました。その結果、出力を10%増大させつつ、25%もの大幅な燃費向上を達成しました。

 

構 成
エンジン図
 高圧燃料ポンプ:燃料を50気圧に昇圧

 高圧スワールインジェクタ:噴霧の分散を制御

 直立吸気ポート:シリンダ内縦渦を生成

 わん曲頂面ピストン:コンパクトな噴霧形状を保存

開発のねらい

    ・ディーゼルを凌ぐ超低燃費
    ・従来ガソリンエンジンを超える高出力

低燃費の実現
高出力の実現
グラフグラフ

低燃費と高出力の両立

 自動車でよく使われる部分負荷時には、燃料を点火直前で噴射します。噴霧は縦渦に乗って点火プラグの近くに運ばれ、そこだけ点火しやすい濃度の混合気が形成されます(層状給気)。その結果、超希薄燃焼が可能となり、燃費が大幅に向上しました。
 一方、加速時には、燃料を吸気行程で噴射して、シリンダ内の空気(酸素)を最大限利用すると同時に、燃料による吸気冷却と高圧縮比化で出力向上を図りました。

トルク
グラフ
エンジン回転数(rpm)

運転領域
部分負荷域
高負荷域
燃料噴射時期
圧縮行程噴射
吸入行程噴射
噴霧構造
中央に集中した噴霧図
外周に分散した噴霧図
混合気形成
点火プラグまわりの層状化図
均一拡散混合
図
実現する特性
超希薄燃焼による
低燃費化
(空燃比:30〜40)
燃料気化による吸気冷却効果で、体積効率向上、高性能化
(空燃比:13〜24)

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