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〔通商産業大臣賞〕(1件)
平成2年度(第1回)
「自己給電式自動水栓」
株式会社 INAX
(常滑市鯉江本町3-6 TEL0569-35-2700)

自己給電式自動水栓写真

 

 この機器は、自動水栓の作動に必要な電力を本体に内蔵された小型水力発電機によって自ら電力を供給する新型の自動水栓です。
 構造は、蛇口に手を差し出すとセンサーが感知し吐水、この時の流れを利用して発電し、ニッカド電池(充電電池)に蓄え、センサー、吐水・止水を行う電磁弁、自動水栓全体を制御するマイコンなどの機器全体の電源として供給するというものです。

 この機器の最大の特長は、電源が不用になったことから設置に際して、従来の水栓と同じ水道工事だけで済み、新設の場合はもちろん既存の設備でも蛇口の交換など、最小限の工事で自動水栓化が可能になり、また、従来の交流電源を使用する自動水栓と比較して、電力コストが全くかからなくなり、安全性も大幅に向上しています。
 機能面においては、吐水・止水時に「フェールセーフ機能」により水の無駄な使用を防ぐことができます。

 この機器は、直接蛇口に手を触れないで給水・止水できるため、清潔さが求められる医療施設をはじめ、ホテル、オフィス等のパブリック施設で今後ますます普及されることが予想されます。

 

図.器具の構造
図.器具の構造

 

図.水と電気の流れ
図.水と電気の流れ

1 コントロールボックス: 『オートマージュ』本体。吐水・止水を行う電磁弁、自動水栓全体を制御するマイコン、小型水力発電機、ニッカド電池、バックアップ電源(乾電池)を内蔵。
2
吐水口: 超音波センサーを内蔵。
3
超音波センサー: 手を感知。外乱(太陽熱、蛍光灯、湿気等)に強いセンサーで、場面に応じて自動的に検知距離が制御され誤作動を防止。
4
電磁弁: パイロットバルブ式のラッチングソレノイドで、開閉時にだけコイルに通電する。省電型。超音波センサー及び手動スイッチから信号が電磁弁に通電されると、弁が開き水が流れる。
5
発電機: 磁石と羽車が一体になったインペラ部が設けられ、水の流れで磁石が回転し発電。
6
手動スイッチ: 押すことにより連続吐水。
7
ニッカド電池: 発電機によって発電された電気を充電。1日当りの総通水時間が約7分30秒を超えると、機器に必要な電力がまかなわれる。
(1回10秒として1日45回)
8
電池ボックス: 使用頻度が少ないときのバックアップバッテリー。ニッカド電池が充電不足になると容量を補充するために、自動的にこの電池からニッカド電池に充電。

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