総合エネルギー調査会省エネルギー基準部会
蛍光灯器具判断基準小委員会最終とりまとめ

当小委員会は、蛍光灯器具のエネルギー消費効率等について、蛍光灯器具の製造事業者又は輸入事業者(製造事業者等)の判断の基準となるべき事項について審議を行い、以下のとおりとりまとめた。

1.対象となる範囲
蛍光ランプを主光源とする照明器具。但し、防爆型のもの、耐熱型のもの、防じん構造のもの、耐食型のもの、車両用その他輸送機関用に設計されたもの、40形未満の蛍光ランプを使用する蛍光灯器具(JIS C 8115「家庭用蛍光灯器具」及びJIS C 8112「蛍光灯卓上スタンド(勉学、読書用)」に規定する蛍光灯器具を除く。)を除く。(別添 1参照)

2.製造事業者等の判断の基準となるべき事項等
(1)目標年度2005年度
(2)目標基準値
各蛍光灯器具製造事業者等は目標年度に国内向けに出荷する蛍光灯器具について、(3)で定める方法により測定したエネルギー消費効率を下の表の区分毎に出荷台数で加重平均した値が、目標基準値を下回らないようにすること。(別添 2参照)
区分目標基準値 lm/W



110型ラピッドスタート形蛍光ランプを用いるもの79.0
40形高周波点灯専用直管形蛍光ランプを用いるもの86.5
ラピッドスタート形蛍光ランプを用いるもの71.0
スタータ形蛍光ランプを用いるもの60.5
20形スタータ形蛍光ランプを用いるもの電子安定器式のもの77.0
磁気安定器式のもの49.0


ランプの大きさの区分の総和が72を超えるもの81.0
ランプの大きさの区分の総和が62を超え72以下のもの82.0
ランプの大きさの区分の
総和が62以下のもの
電子安定器式のもの75.5
磁気安定器式のもの59.0
卓タ
上ン
スド
コンパクト形蛍光ランプを用いるもの62.5
直管形蛍光ランプを用いるもの61.5
(注)「ランプの大きさの区分」とは、JIS C 7601 の付表1に規定する大きさの区分をいう。なお、単位はない。
(参考)lm(ルーメン):国際単位系による光束の単位。全ての方向に等しく1cd(カンデラ)の光度をもつ点光源から、立体角1sr(ステラジアン)の錐体中に放出される光束の大きさを表す。
(3)測定方法
@エネルギー消費効率は「lm/W」(「ルーメンパーワット」と読む)で表す。
Aエネルギー消費効率の算出方法は、蛍光灯器具に装着する蛍光ランプの全光束(lm)を蛍光灯器具の消費電力(W)で除して得られる数値とする。(別添 3参照)
エネルギー
消費効率
(lm/W)=蛍光灯器具に装着する蛍光灯ランプの全光束(lm)
蛍光灯器具の消費電力(W)
(4)表示事項
@ 表示事項は次の事項とする。
・蛍光灯器具の品名又は形名
・蛍光ランプの形式
・全光束
・消費電力
・エネルギー消費効率
・製造事業者等の氏名又は名称
Aエネルギー消費効率の表示単位はlm/Wとし、その数値は少数点第1位まで表示する。
B表示事項の表示はカタログに記載して行う。ただし、卓上スタンドについては、家庭用品品質表示法に基づき表示する。

3.省エネルギーに向けた提言等
(1)使用者の取り組み
@照明器具の使用に当たって、照明目的を考慮し、全光束値が適切でありエネルギー消費効率の高い器具を選択するよう努めること。
A白熱灯は可能な限り蛍光灯器具に転換し、また、磁気安定器式器具に比べて光量・エネルギー消費効率等に優れた電子安定器(インバータ)式器具や高周波点灯専用器具(Hf蛍光灯器具)の導入を図る等により省エネルギーに努めること。
B不必要な点灯の削減のために、こまめな消灯(減光・減灯)に心掛け、必要に応じて、タイムスケジュール、昼光利用、人感知等の制御システムの導入を図ること。
C定期的な清掃、ランプ交換に心掛け、長期間の使用による照明効率の低下を防ぐよう努めること。
(2)製造業者等の取り組み
@照明器具の省エネルギー化のための技術開発を促進し、エネルギー効率の高い照明器具の開発に努めること。
Aエネルギー消費効率の良い照明器具の普及を図るため、これらについて消費者の理解の促進を図るよう努めること。
B昼光利用、人感知等の制御システムの普及を図り、照明器具の適切、かつ、効率的な使用により省エネルギーを図るよう啓発に努めること。
Cエネルギー消費効率(lm/W)の意義について、消費者等の理解の促進を図ること。
(3)政府の取り組み
エネルギー消費効率の高い照明器具の普及を図るため、使用者の理解及び製造事業者等の取り組みを促進するために、政策的支援及び普及啓発等の必要な措置を講じるよう努めること。

4.検討の経緯等
(1)小委員会の開催経緯(別添 4参照)
(2)委員名簿(別添 5参照)


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