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4. 気候変動枠組条約の概要とCOP

(1) 条約の経緯及び概要
 1972年6月に採択された国際連合人間環境会議の宣言において、各国が他国のみならずあらゆる環境に対する損害の責任を負うことを規定したことを契機に、環境保護に対する認識は徐々に高まりを見せてきた。近年においては、温室効果ガスの排出による気候変動問題を始めとする地球規模の環境問題が大きな関心を集めており、気候変動問題は、このような状況の中で1992年に開催されたリオの地球サミットにおいて採択された。
 条約においては、1)締約国の共通だが差異のある責任、2)開発途上締約国等の国別事情の勘案、3)速やかかつ有効な予防措置の実施等の原則のもと、主に先進締約国に対し温室効果ガス削減のための政策の実施等の義務が課せられている。

 

 

(2) 第1回締約国会議(COPl)の結果について

1. 開催場所及び日時
・日時
 平成7年3月28日(火)〜4月7日(金)
 (最後の3日間は閣僚級会合)
・場所
 ドイツ(ベルリン国際会議場)

2. 会合の成果
1) 2000年以降の温室効果ガス抑制対策のあり方
 気候変動枠組条約は2000年以降の具体的な措置について明示的に定めておらず、このた第1回締約国会議以降できるだけ早く以下の項目について検討を開始し、第3回締約国会議(1997年)までに検討を終えることを定めた「ベルリン・マンデート」を採択。
(マンデートのポイント)
 ・温暖化防止のための政策措置
 ・例えば、2005年、2010年、2020年などの長期も含む時間的枠組みで、数量化された温室効果ガスの排出規制及び削減に係る目標(Objectives)を定めること。
 ・温暖化問題への対処のための、出発点、経済構造、資源基盤の違いに配慮し、各国が持続可能な経済成長を必要とすることを確認し、気候変動の緩和のための公平かつ適当な貢献を行うこと
(以上、先進国の義務に関すること)
 ・途上国に対し、I先進国と同様の義務は新たに求めないこと、II現行条約の約束の実施をより一層向上すること

2) 共同実施の基準
 他国と共同で温室効果ガス排出抑制対策を行う「共同実施活動」については、試験的実施(パイロットフェーズ)をボランタリーベースで発展途上国と共同で行うことについて合意。
 主な点は、次のとおり。
 I 試験的実施の間は排出削減量の配分(クレジッティング)は行わないこと
 II 今後、毎締約国会議において本件の進捗についての評価を行うこと
 III 今世紀末において、試験的実施につき、総合的に評価を行い、結論を出すこと

3) 気候変動技術イニシアティブ(CTI)
 OECD/IEA24カ国は、気候変動問題に対応するための技術開発、移転・普及プロジェクトである「気候変動技術イニシアティブ(Climate Technology Initiative)」に着手することを共同提案として閣僚会議で表明。CTIは我が国が1990年に国際的に提案してきた「地球再生計画」を発端とし、OECD/IEAで行われた「環境エネルギー技術国際協力スコーピングスタディ」をベースとしたもの。

4) 事務局の場所
 ボン(独)に決定

5) 締約国会議の誘致について
 我が国は代表演説の中で第3回以降のできるだけ早い時期の締約国会議を我が国に誘致することを検討する用意がある旨発言。

各国の第1回通報の概要

国名 温室効果ガス排出抑制目標 目標達成
見込み
CO2排出量
増加率2)
CO21人当り排出
(t-c,1990)
CO2排出量
(百万t)
イギリス CO2、CH4、N2Oそれぞれについて、2000年で1990年レベルに安定 0 2.79 584
デンマーク CO2について2005年で1988年レベルから20%削減 × 8%減 3.10 52
イタリア1) CO2について2000年で1990年レベルに安定化 0 2.00  
オランダ CO2について2000年で1989年〜1990年レベルの3〜5%削減 約4%減 3.18 168
カナダ CO2、CH4、N2Oについて、温暖化指数を用いて合計した総量で、2000年で1990年レベルに安定化 × 約11%増 4.72 457
アメリカ CO2、CH4、N2O、HFC(代替フロン)について、温暖化指数を用いて合計した総量で、2000年で1990年レベルに安定化
(ただし、吸収源も含める)
約3%増 5.47 4,957
日本 CO2→2000年で1990年レベルに一人当たり安定化
CH4→2000年で1990年レベルを超えない
2O→極力排出を少なくする
約3%増 2.59 1,173
スウェーデン CO2を2000年までに1990年レベルで安定化
(ただし、吸収源も含める)
0 1.95 61
ノルウェー CO2を2000年までに1990年レベルで安定化 × 約12%増 2.27 36
ニュージーランド CO2を2000年までに1990年レベルで安定化
(ただし、吸収源も含める)
約16%増 2.05 26
オーストラリア 温暖化指数を用いて温室効果ガス全体で2000年で1990年レベルに安定化 × 約16%増 4.61 289
オーストリア CO2について、2005年で1988年レベルの20%削減 × 約10%増 2.12 59
ドイツ 温暖化指数を用いて温室効果ガス全体で2000年で1990年レベルに安定化
特にCO2については、2005年で1987年レベルの25〜30%削減
×

約5%減
(ただし、2005年の1990年比較)

3.54 1,102
数値は各国の報告書及び統合報告書による。
注1) イタリアはサマリーの提出のみ。
  2) CO2増加率は、2000年での1990年比較。

(3) 第3回締約国会議(COP3)の結果―京都議定書の骨子

1. 数量目的
●対象ガスの種類および基準年
 ・二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素(1990年を基準年)
 ・HFC、PFC、SF6(1995年を基準年とすることができる)
●吸収源の扱い
 ・土地利用の変化および林業セクターにおける1990年以降の植林、森林再生および森林消失に限定
●目標期間
 ・2008年〜2012年の5年間
●先進国および市場経済移行国全体の目的(法的拘束力なし)
 ・5%削減
●主要各国の削減率(全体を足し合わせると5.2%の削減)
 ・日本:−6% 米国:−7% EU:−8% カナダ:−6% ロシア:0% 豪州:+8% NZ:0% ノルウェー:+1%
●次期目標期間への繰り越し(バンキング)
 ・認める
●次期目標からの借り入れ(ボローイング)
 ・認めない
●共同達成
 ・欧州共同体など複数の国が共同して数量目的を達成することを認める
●排出権取引
 ・COPが権利規則、ガイドラインを決定した後、導入
●共同実施
 ・先進国の実施。ただし、方法等については後日決定

2. 途上国の義務の実施の促進
●途上国を含む全締約国の義務として、吸収源による吸収の強化、エネルギー効率の向上等詳細に例示。

3. クリーンデベロップメントメカニズム
● プロジェクトにより生じたクレジットを融通することにより、先進国の数量目的の達成に使うとともに、プロジェクトの成果を途上国に役立てようというもの。メカニズムの役割は資金源の紹介を行うこと。

4. 資金メカニズム
● 条約で規定された資金メカニズム(GEF)が引き続きこの議定書の資金メカニズムであることを確認。

5. 発効要件
● 議定書を締結した国の数が55か国以上であり、かつ締結した付属書I国の1990年における排出量がその全体の55%をこえることを発効要件として規定(後者は1か国に発効の拒否権を与えないため)
* (採択されなかったもの)
●途上国の自発的な数量目標へのコミットメントは、最後の段階で途上国の反対により削除。また、エボルーションについても何ら決まらず。



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