平成18年度 全国大会 実施事例
ECCJ Home | 総目次 | 18年度優秀事例目次 | 18年度地区大会発表事例目次 back 前頁 | 次頁 next
北海道地区 | 東北地区 | 関東地区 | 東海地区 | 北陸地区 | 近畿地区 | 中国地区 | 四国地区 | 九州地区
image

ロス分析によるユーティリティー設備の省エネルギー活動の紹介

image
  パイオニアプラズマディスプレイ株式会社
  総務部 工務課
◎ キーワード: 加熱、冷却、伝熱の合理化 (空気調和設備、給湯設備等)
電気の動力、熱等への変換の合理化 (電動力応用設備、電気加熱設備等)
◎ テーマの概要
  今までの、ユーティリティー設備の省エネ活動は、高効率タイプの設備導入や配管連結による高効率設備優先運転等など、システム全体の高効率化を推進してきた。
今回、更に省エネ活動を推進する為に、システムを構成する設備単体のロス分析を実施し、改善を図り、効果があったので、その活動内容を紹介する。
 
◎ 当該事例に対する実施期間 平成17年 4月〜平成18年 3月  
  ・企画の立案の期間 平成17年 4月〜平成17年 6月末  
  ・対策の実施期間 平成17年 7月〜平成17年 9月末  
  ・対策の確認期間 平成17年10月〜継続中  
 
◎ 事業所の概要
  ・生産品目 カラープラズマディスプレイ
  ・従業員 751名(平成18年6月現在)
  ・エネルギー年間使用量(平成17年度実績)
    電力    181,322 〔MWh/年〕
    重油      2,307 〔KL/年〕
    LPG      0.005 〔ton/年〕
    都市ガス     23 〔km3/年〕(13A)
 
◎ 対象設備の概要

  図−1. 設備概要
  図−1. 設備概要
[TOP]
1. テーマ選定の理由
  「パイオニアプラズマディスプレイ株式会社は、地球環境を維持改善し、次世代に引き継ぐことが企業の使命のひとつであることを深く認識し、常に豊かで安全な環境の実現に寄与するよう努めます」を環境方針に掲げ、高効率設備の導入を進めてきた。今回、更なる効率改善を図るべく、基本設計と現在の 設備運用状況を比較し、ロス分析により設備改善に取り組んだ。
 
2. 現状把握及び分析
  当社のエネルギー使用状況は電力が全エネルギーの90%以上であり、電力の削減活動に重点的に取り組んでいる。また、ユーティリティー設備の内訳は、図−3のように冷凍機、圧縮機、空調設備、純水・排水設備の順となっている。よって、使用電力量の大きい冷凍機、圧縮機、純水・排水設備を 中心に省エネを図ることとした。
図−2. エネルギー別消費構成グラフ 図−3. 電力消費構成グラフ
図−2. エネルギー別消費構成グラフ 図−3. 電力消費構成グラフ
 
3. 活動の経過
  3-1 目標の設定
    当社は、経済産業省の目標である「前年度比1%以上の原単位改善」を達成する為、CO2排出削減目標を1,158t−CO2としている。その中で、今回のユーティリティー設備の 排出削減目標を上記の10%以上である116t−CO2以上とした。
 
  3-2 省エネ施策の調査
    ユーティリティー供給設備に関する省エネ事例や技術を広く調査し、既存設備に適用可能な省エネ施策を以下のように検討した。
   
図−4. ユーティリティー供給設備の省エネ施策
    図−4. ユーティリティー供給設備の省エネ施策

  施策−1. 排水処理設備 排水回収処理設備の省エネ
  施策−2. 冷凍機設備 冷水ポンプ供給電力の削減
  施策−3. 空気圧縮機設備 圧縮機の待機電力の削減

  3-3 省エネ施策のスケジュール
   
省エネ施策のスケジュール
[TOP]
4. 対策の内容
  施策−1.排水処理設備 有機系排水回収設備のUVランプ消灯
  1) 対象設備の概要
    当社では、純水の原水として深井戸水を利用しているが、節水対策として、生産設備からの排水を回収し処理を行い、純水原水として再利用している。
   
図−5. 有機系排水回収設備フロー図(対策前)
    図−5. 有機系排水回収設備フロー図(対策前)
 
  2) 現状調査
    本装置は、生産設備から排水される水の有機分を除去する装置であり、初期設計に基づき運用してきたが、事業環境の変化に伴い、有機系排水のTOC(水の汚れ具合)の値が設計値の50%以下に減少したため、個別機器の検討をおこなった。
 
  3) 対策の立案・検討
   
対策の立案・検討
      上記より、UVランプの消灯を実施することとした。
 
  4) 対策の実施
  施策実施 :UVランプ2灯を消灯した。
  結果確認 :消灯後、TOC計にて水質確認を行ったところ、規格値以内であったが、後段の純水製造設備のフィルター目詰まりが発生したため、別途、水質検査を実施したところ、TOC計では測定不可能な揮発性有機物が含有していることが判明した。
  再施策実施 :UVランプ2灯から1灯に消灯した。
  再結果確認 :水質検査を実施したところ、数値は規格内であり、フィルター目詰まりも発生しなかった。
よって、UVランプを1灯消灯して実行することとした。
   
図−6. 有機系排水回収設備フロー図(対策後)
    図−6. 有機系排水回収設備フロー図(対策後)
   
評価 結果

  5) 効果
    UV酸化槽のUVランプ1灯を消灯することにより、160.6MW/年の削減ができた。
(20KW/灯×22H×365日)
[TOP]
  施策−2.冷凍機設備 冷水ポンプのインペラカット
  1) 対象設備の概要
    冷凍機にて冷水を製造し、クリーンルーム用の空調機に送り、温湿度調整している。
   
図−7. 冷凍機設備フロー図
    図−7. 冷凍機設備フロー図

  2) 現状調査
    冷凍機本体の定格容量に比べ冷水ポンプ容量が大きく、バルブを絞って運用していたので、ポンプの適正な運転のため、検討を行った。
 
  3) 対策の立案・検討
   
対策の立案・検討
 
    冷水ポンプは各冷凍機ごとに設置されており、冷凍機の能力にあわせ、流量一定でバルブを固定して運用するため、工事費の安価なインペラカットを実施することとした。
 
  4) 対策の実施
    ポンプの定格流量6.7m3/minに対し、バルブを絞った状態で6.0m3/minであったため流量が6.0m3/minになるよう、以下のように算出した。
・現在の流量が6.0m3/minで性能曲線より、揚程は51mである
・ポンプの定格の揚程49mより、揚程比は49÷51≒0.9608である
・揚程比の平方根=外径比より、√0.9608≒0.98×100=98%である
よって、2%インペラをカットし、省エネを図った。
   
図−8. ポンプの性能曲線図
    図−8. ポンプの性能曲線図
 
  5) 効果
    送水ポンプのインペラカットにより67.2MWH/年の削減ができた。
 改善前:90KW×3200H×3台=864.0KWH/年
 改善後:83KW×3200H×3台=796.8KWH/年
[TOP]
  施策−3. 圧縮機設備 防音カバー取り外しに伴う、冷却ファン停止
  1) 対象設備の概要
    空気圧縮機にて生産設備用エアーを製造している
    図−9. 空気圧縮機設備フロー図(対策前)
    図−9. 空気圧縮機設備フロー図(対策前)
 
  2) 現状調査
    運用に関しては、台数制御を実施し適正に運用しているが、設備待機時にエネルギー消費機器があり、年間68.3MWh/台使用していることに着目し、ロス分析を行った。
 
  3) 対策の立案・検討
    対策の立案・検討
    上記より、排熱ファンの停止を実施する。
 
  4) 対策の実施
    排熱ファンを停止させ、放熱させるために防音カバーを取り外した。
騒音の問題が懸念されたが、下記の通り確認し、問題がないことが分かった。
・機械室内の騒音レベルが上がったが、室内では防音保護具を着用している。
・外部に関しては、定期的に騒音測定を実施しており、騒音振動規制法の規格値を満足している。
    図−10. 空気圧縮機設備フロー図(対策後)
    図−10. 空気圧縮機設備フロー図(対策後)
 
  5) 効果
    防音カバーの取り外しに伴い、冷却ファンの撤去を実施し、19.3MWH/(年・台)の削減ができた。同仕様の圧縮機が3台あり、水平展開を行うことにより、計57.8MWH/(年・3台)削減ができた。
[TOP]
5. 対策後の効果
  対策後の効果
 
6. まとめ
  今回、各設備のロス分析を実施し、電力使用割合の高い冷凍機・圧縮機の電力を削減できた。
特に造排水設備は、ランプ消灯後に、通常の水質検査で分からない有機物のため、試行錯誤しながら、省エネを実施した。また、他社事例を調査し、冷水ポンプのインペラカット等を安価に省エネを実施できた。
 
7. 今後の計画
  これからも、今まで以上に深く踏み込んだ省エネ施策を展開していく。また、同時に、省エネ情報発信等により、全従業員の省エネ意識の高揚・省エネ施策の発掘をおこない、全員参加の省エネルギー活動を推進していく。
 
北海道地区 | 東北地区 | 関東地区 | 東海地区 | 北陸地区 | 近畿地区 | 中国地区 | 四国地区 | 九州地区
ECCJ Home | 総目次 | 18年度優秀事例目次 | 18年度地区大会発表事例目次 back 前頁 | 次頁 next
image
 
Copyright(C) ECCJ 1996-2010