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ESCO方式による冷凍・空調省エネ対策システムの展開

  株式会社ローソン
店舗開発サポート本部 建設施設管理部
◎ キーワード: 加熱・冷却・伝熱の合理化(空気調和設備、冷凍設備等)
◎ テーマの概要
  冷凍設備と空調設備、防露ヒータを中心に制御機器(エコパック)を使い使用電力量の低減を図る。また、同時に遠隔監視端末(省エネモニター)を採用し、遠隔で各対策店舗の省エネ量や電力使用量等、リアルタイムに状況把握できるよう対策したことにより、店舗ごとの省エネ量の明確化をはかった。
 
◎ 当該事例に対する実施期間 平成15年 4月〜平成16年12月
  ・企画立案の期間 平成15年 4月〜平成16年 7月 延べ16ヶ月
  ・対策の実施期間 平成16年 8月〜平成17年 3月 延べ 8ヶ月
  ・対策効果確認期間 平成17年 4月〜平成17年 6月 延べ 3ヶ月
 
◎ 事業所の概要
  生産品目 コンビニエンスストア
  従業員 3095名
  エネルギー年間使用量(16年度実績)
    電力 1,600,000MWh
    ガス m3
  灯油 kL
 
◎ 対象設備の工程
対象設備の工程
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1. テーマ選定の理由
   コンビニエンスストアという小さな建物の中で消費エネルギーの大半を占めるのは、照明設備と冷凍設備、空調設備であるため、そこにメスを入れる必要があると判断した。今までは、調光式の蛍光灯器具を採用したり、電圧調整装置を導入したりと個別に省エネ機器を導入して省エネ対策を実施してきた。しかし、それを継続的に効果検証することなく運転されていたため、設置後も継続して効果が出ているかどうかを判断していなかった。そこで、今回は店舗のエネルギー消費比率の高い、冷凍設備と空調設備、防露ヒータ設備の3設備に絞って省エネ対策を検討し、その効果を継続的に監視することが出来るよう独自に開発した遠隔監視装置「省エネモニター」も併せて導入することで、リアルタイムに店舗の省エネ量や電力使用量を把握することが可能となった。省エネ量が明確化するので、店舗オーナーからシステム導入費用の一部を回収することが可能となり、コンビニエンスストア初の独自ESCO方式によるトータル省エネ対策システムの展開が実現出来ると判断してテーマに選定した。
2. 現状の把握及び分析
  (1) 現状の把握
   照明設備など一般的にポピュラーな負荷に対しては、省エネルギー化が進んでいる(インバータや調光システム等)。しかし、冷凍設備やそれをとりまく冷ケース、空調といった部分の省エネは、メーカーレベル(新機種)では進んでいるものの、既存店に設置されているものに対しては現状まだまだ対策が出来ていない。
 
(2) 現状の分析
   照明対策については、LED・EL等新しい革新的なものが商品化されるまでは、冷陰極管照明を実験してみようと考えているが、その他は現状ではほぼ出つくしている感が強い。冷凍機に関しては、入切値固定化運転によるコンプレッサ稼動の無駄や冷ケース廻りのヒータ等、24時間365日電源は通電状態にあり、まだまだ省エネ対策が図れるものと判断している。
 
3. 活動の経過
  (1) 取り組み体制
   まずは、建設施設管理部を中心として、コンサルティング会社とESCO事業者に相談しどのような対策が可能かどうかを検討した。その結果、個別に省エネ機器を導入するのではなく、安価でなおかつ性能や施工性の高いコンビニエンスストア専用の制御装置とその効果を検証するモニタリング装置(遠隔監視装置)が必要と判断し、独自に開発を依頼し完成させた。施工体制については、従来から取引のあった全国対応可能な企業からの全面協力を受けて展開した、機器設置後のメンテナンス体制についても、全国レベルでトラブル発生時には90分以内に現地に出向くことが出来る企業を選定することでカバーすることが出来た。これによって、機器の開発・監視・施工・メンテナンスまで総合的なサービスを受けることができる体制を構築して展開を図った。

取組の概略体制表
取組の概略体制表
 
(2) 目標の設定
 店舗の規模による差はあるものの、1店舗あたり約20万kWh/年の電力使用量を消費していると仮定すると、当社の店舗全体で約8000店舗あるので、16億万kWhの電力を消費していると想定できる。その総消費量の6%を削減すると、1店舗あたり1.2万kWh/年の削減が可能になると判断して目標を設定した。冷蔵設備と空調設備、防露ヒータ設備を制御することで、この目標をクリアーすることは容易ではないものの不可能な数字ではないと考えている。

(3) 問題点とその検討
・全国統一化工事マニュアルの製作と施工スタッフへの徹底教育
・FC(オーナー店舗)へのESCO理解(考え方)
・省エネ機器の完成度アップ(ハード・ソフト)
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4. 対策の内容
  (1) エコパックによる電力使用量削減
  [1] 冷凍機のガス圧制御
 冷凍機設備は24時間365日休むことなく運転するため、その時々の変化に応じた適正な運転調整を行わなければ、電力の無駄使いを強いられ、更には機器の故障や寿命の短縮になる。
 また、専門業者に依頼して、点検時に圧縮器の「入値・切値」をその季節に応じた設定値にしても、周辺の環境変化、負荷変化のバランス等は刻一刻と変化するため、年に数回の調整だけでは実質的には適正な運転管理とは言えない。更に、年間の運転状況を見ると、周辺環境変化に冷却負荷側は大きく変動するが、冷凍機出力の変化がほとんどないため、ショートサイクルや過熱運転、冷却機の着霜等の問題が発生する。
 こうした問題を少しでも解消するために、冷媒ガス圧自動制御システムを導入した。このシステムは、年間の周辺環境の変化による運転の圧力、温度変化を冷凍サイクルから読み取り、その時、その季節において高効率運転になるよう設定値を自動的に変化させ、またそのサイクル変化から今までできなかった故障予知機能を備え、機器類の保護並びに電力の削減を実現した。

[2] 空調機のスケジュール制御
 店内にある空調機の圧縮機をスケジュール制御し、店内環境を崩すことなく制御することで、年間10%〜20%の削減が可能となる。

[3] 防露ヒータの間欠制御
 防露ヒータは、湿度の多い場合にケース手摺の結露を防ぐものであり、湿度の少ない冬期においてはあまり効果を発揮しないのにも関わらず、24時間・365日運転されている。そこで導入した防露ヒータ制御システムは、負荷の状況を温度・湿度等から読み取り、制御時間を自動的に変更するシステムである。その為、機能を損なわず、防露ヒータの無駄な運転を防ぎ、電力量(約50%)の削減を目指すものである。
 
(2) 省エネモニターによる遠隔監視システムの構築
   店舗に設置した省エネモニターと通信線(電話回線)を接続して、1週間に1回記録したエネルギーデータを遠隔管理センター(サーバ管理)へ転送し、各店舗ごとにデータを自動的に集計、掲示するシステムを構築した。各省エネ量のみならず、電灯・動力の使用量や照明や他の負荷設備の電力量も詳細にデータ化することが可能なため、ソフト面でのコンサルティングや今後の新店舗への栄養剤として活用し、店舗データの有効活用することが出来る。
 
参考;1店舗の省エネ量(月)
全体の省エネ前後の使用量比較
冷凍機省エネ前後の使用量比較
空調機省エネ前後の使用量比較
防露ヒータ省エネ前後使用量比較
 
5. 対策後の効果
   1店舗あたり年間10000kWh〜13000kWhの削減に成功した。削減率では6%となり、年20万円前後の電気代の低減となった。1/2はFC(オーナー)側に、1/2はESCO投資回収分とした。FC側はノーリスク(ESCO手法を採用)で年間10万円のコスト削減になり、店舗としても6%のCO2削減ができ、地球環境にも貢献できた。既存200店舗では、年間240万kWhの削減となります。この結果を受け、既に全店舗規模(約8000店舗)での省エネシステムの導入をスタートしており、一大環境・社会貢献プロジェクト(CSR)が動き出している。
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6. まとめ
   今回、コンビニエンスストア業界初の取り組みとして、当社店舗開発サポート本部が主体者となり、ESCO方式を参考にした省エネ対策が実現できたことが最もPRできる点である。また、それに加えてコンビニ向けに性能のよい安価なモニタリング装置(省エネモニター)を独自に開発したことも今回のプロジェクトが成功した大きな要因のひとつと思われる。今までの電力量計で計測しようとした場合、複数台の機器を設置しなければならず、スペースもとり高額な投資費用も必要となる。しかし今回開発したモニタリング装置(省エネモニター)を使えば、今まで実現出来なかった負荷ごとの計測が一台で可能となる画期的なシステムと言える。各店舗においては、オーナーが直接省エネ量や省エネ額が一目でわかり、また遠隔システムにより効果検証が完全シート化され、集計やまとめは一切手間がかからず、更には装置自体を独自に開発したため、価格も安価に設定できたことによるトータルメリットこそが、このプロジェクトが成功した大きなポイントだと考える。
 
7. 今後の計画
   2005年9月〜2007年2月の1.5年間で8000店舗レベルへの導入と全国体制による一斉工事、調査からスクリーニング、提案書(効果の算定)、施工、施工後のメンテナンス体制まで、包括的(ワンストップ)な体制づくりを実施中。{省エネルギー節約量を記載し、訴える}
 また、ホームページ等で当社のCO2削減量を定期的に掲示する。
 現在検討中ではあるが、店内に削減した省エネ量やCO2削減量を表示し、一般の利用客にむけて地球環境改善に取り組んでいる企業であることを、広く広報して行きたいと考えている。
 
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