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「見える化」で進めた私たちの省エネ活動 |
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| 株式会社デンソー 安城製作所 オルタ1工場 |
| ◎ キーワード: | エネルギーの使用効率向上 |
| ◎ テーマの概要 |
| 現在、当社では、デンソーエコビジョン2005の環境方針の中で2010年までにCO2排出量10%減を目標に掲げていますが、それに基づき、オルタ1工場では、省エネモデル工場の活動として、エネルギー管理システムを活用した、既存ラインの省エネ活動を推進してきました。これは、家庭での省エネからヒントを得て、使用量の「見える化」、支払いの「見える化」、活動の「見える化」の、徹底した「見える化」を推進した結果、使用部署側での改善活動が活性化し、必要な時に、必要な所に、必要なだけ、供給する、エネルギーのジャストインタイムの改善を着実に進める事ができ、大きな成果を上げる事が出来たので、報告します。 |
| ◎ 当該事例に対する実施期間 |
| ・企画立案の期間 ・対策の実施期間 ・対策効果確認期間 |
平成14年4月〜平成15年3月 平成15年4月〜平成16年3月 平成16年4月〜平成16年7月 |
(延べ12ヶ月) |
| ◎ 事業所の概要 |
| ・生産品目 | 自動車用オルタネータ、スタータ | |
| ・従業員数 | 2,785名(平成15年4月1日現在) | |
| ・エネルギー年間使用量(平成15年度実績) | ||
| 電気(買電) | 148,803MWh | |
| 電気(自家発電) | 38,603MWh | |
| 都市ガス | 16,633m3 | |
| 灯油 | 3,206KL | |
| ◎ 対象工場、工程概要 |
| オルタ1工場(省エネモデル工場)には、従来型オルタと次期型オルタを流動する2ラインが設置されており、共に全自動TRラインで素材加工からアッシー組付までの一貫生産を行っており、総設備台数は、850台であります。今回の活動は、既存ラインの省エネ活動として、従来型オルタラインをモデルラインに活動しました。(図1オルタ1工場概要) |
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| 図1 オルタ1工場 工程概要 |
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| 1. テーマ選定の理由 |
| ・活動の背景と現状 | |
| 当社では、デンソーエコビジョン2005の環境方針の中で2010年までにCO2排出量10%減を目標に掲げていますが、それに基づいて、現在、パーフェクトエネルギーファクトリー(PEF)活動を推進中であります。この活動は、工場のエネルギーのロスミニマム化を狙いに、従来の設備単位の個別改善ではなく、技術開発、技術改善、管理改善を切り口に工場全体でやりつくす活動として展開しています。(図2活動の背景) |
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| 図2 活動の背景 |
| 各事業グル−プは、モデル工場を定めて、順次全社展開を計画しており、我々、電気機器事業グループでは、オルタ1工場をモデル工場として活動を展開中です。私は、そのプロジェクトチームにオルタ1工場から現場を代表して参加し、活動しています。 又、その活動の状況は、次期型ライン立ち上げを機に新技術開発と省エネライン造りとして、将来に向けた今しか出来ない活動として集中的に活動し、エネルギー原単位を従来型の半分以下にする大きな成果を上げる事が出来ました。更に加えて、施設部と共同で、エネルギー管理システムの整備と改善をほぼ、完了してきましたが、従来型ラインでは、エネルギー原単位が非常に高く、次期型も含め、既存ラインのエネルギーロス改善の省エネ活動は今後の取り組みとなっています。 (図3PEF活動の状況) |
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| 図3 PEF活動の状況 |
| ここで、部全体の設備構成を見てみると今は、大半が従来型のラインであり、又、2010年時点でも、60%を占めています。そこで短期に大きな成果を上げる事により、次期型ラインも含め既存ラインの省エネ活動は、足元のコストを刈り取る活動として、大変重要である事が分かります。 | |
・テーマの選定 |
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| この様なことから、今後の進め方として、従来型ラインを省エネ活動のモデルラインに設定し、その方法として、エネルギー管理システムを活用して、エネルギーを必要な時に必要な所に必要なだけ供給する、つまりエネルギーのジャストインタイムを進め、原単位を低減していく事をテーマに選定しました。(図4テーマの選定) |
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| 図4 テーマの選定 |
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| 2. 現状の把握及び分析 |
| ・活動の取り組み | |
| そこでどのように活動に取り組んでいくか、考えてみると、既存ラインの省エネ活動において、短期に大きな成果を上げるには、PJチームだけでなく、どうしても、全員参加の省エネ活動にする必要があり、私たちは、省エネを人の気を引く活動にしたいと思い悩む中で、結構、家庭では省エネしているよなという考えにおよびました。そこでその違いが何処にあるかを探ってみました。先ず、家庭では、電気ガス水道などの使用量が、月々の明細書で、確実に分かるのに対して、職場では、それが分かりません。対策実施計画を立てようにも見えないことには、始まらない訳です。又、家庭では、当たり前ですが、光熱費は、自分の財布から支払います。しかし、職場では、経費に入っておらず、あまり、エネルギー費を気にした事がありません。この様なことから、家庭では、かあちゃんの省エネとして、自分ごとで、こまめな指導や管理が出来ており、反対に職場では、ひとごとで、全く出来ていません。そこで、着眼点として、よく見えている家庭の省エネを職場でやる。又、手法として、使用量の「見える化」、支払いの「見える化」、活動の「見える化」の徹底した「見える化」を推進していく事にしました。(図5活動の取り組み) |
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| 図5 活動の取り組み |
| ・目標の設定 | |
| そこで、この考えが本当に正しいか、検証してみたくなり、(図6)の様なアンケートを全員で実施しました。 |
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| 図6 アンケート |
| これは、家庭と職場の省エネ意識を評価する為、3つの「見える化」の項目ごとの質問に対して10点満点のスケールを設定し、何点かを記入してもらいました。その結果、(表1)の様になり、家庭での平均6.8に対して、職場では、3.1と非常に低く、数字として検証する事が出来ました。又、この評価を使い、職場の省エネ意識目標を家庭並みの6.8に設定しました。更に、エネルギー原単位目標は、02年度実績に対し、モデルライン目標としては、15%に設定し、活動を進めていく事にしました。 |
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| 表1 アンケート結果 |
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| 3. 活動の経過 |
| ・エネルギー管理システムの紹介 | |
| 先ず、システムの概要は、生産量にリンクして、各エネルギーを各々の計測ポイントで測定します。そのデータは、5分単位で、管理サーバーに収集され、イントラネット掲示されます。更に各端末では、エネルギー管理ホームページを通して、図7の様な集計インターバルと範囲でデータを加工することが出来ます。そのデータの加工例ですが、例えば、エネルギー量と生産台数を見てみると昼休み及び昼勤終了後の生産の無い時間でも電力を使っている様子が分かります。 又、改善前後の比較ですが、これは、エアー漏れ対策の比較例です。他にも、エネルギー費、原単位など、様々に加工して見ることが出来ます。 |
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| 図7 エネルギー管理システム |
・改善活動計画立案 |
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| そこでこのシステムを活用して、目標を達成する為に、表2の様な省エネ改善活動計画を立案しました。ここでは、使用量の「見える化」に対して、誰もがいつでも、使用量が見えて、改善活動に使える事、支払いの「見える化」に対しても、誰もがいつでも、支払いが金額で見えるようにする事、活動の「見える化」に対しては、省エネ活動のPDCAが自主的に回り、活動全体が、一覧できる事を目標に、主な取り組みを決め、従来型各ラインに展開していく事にしました。 |
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| 表2 省エネ改善活動計画表 |
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| 4. 対策の内容 |
| ・使用量の「見える化」事例 昼夜連続稼働への取り組み(ローターライン) | |
| 今までのエネルギー計測の問題点は、供給側工場単位の一括計測の管理でした。今回のエネルギー管理システムの整備と改善の活動で使用側ライン単位の個別計測を実現してきました。更に作業者への「見える化」として端末を管理者だけでなく、各ラインに設置し、作業者自身がシステムを使いこなせる様にライン毎に操作方法の教育を実施しました。現場では、今現在、そこの設備で使っているエネルギーがシステム上で表示され、自分たちの実施した対策の結果が、5分後には、見えるようになってきました。この様に使用量の「見える化」では、家庭での月々の明細書を上回る「見える化」を進める事が出来ました。(図8)は、その1事例です。これは、ロータラインの生産量と電力量を表したグラフですが、昼夜勤間の電力に生産量とリンクしないロスがあることが、分かります。 これは、加熱炉などの大電力を使う設備の立ち上げロスが有るためです。 |
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| 図8 昼夜連続稼動への取り組み |
| 尚、ロータラインは、後工程に合わせて、E勤務を実施しています。そこで、着眼点として、昼夜勤間のロスを無くす為、連続稼働出来ないかと考えました。改善内容としては、ロータラインに在庫1000台を持つことにより、勤務帯をEからCに変更し、連続稼働を実現しました。それにより、生産量とエネルギー量がリンクしてきました。これには、在庫面積の確保と上司関係部署に対するTPSとの整合性の理解活動が必要でしたが、その効果として、年間171万1千円の省エネを実現する事が出来ました。この様に使用量の「見える化」が進んだことで、使用側での省エネ改善に着手する事が出来る様になってきました。 | |
・支払いの「見える化」事例 エネルギー費の直課の取り組み |
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| 今までのエネルギー費管理の問題点は、他の費目と異なり、供給側工場単位管理で使用の範囲と違うところでした。その為、改善がひとごとで進まない、それどころか、使って済む事なら使ってしまおうと、エネルギー費は、管理外で、気になりませんでした。そこで、着眼点として、管理と使用の範囲を一致させる事、つまり、エネルギー費の直課を実現する事だと考えました。その改善内容は、現在、実施している、日報の管理項目に各エネルギー費と原単位を追加しました。これにより、日々の推移が職場毎に分かり、更に、家庭での支払いと同じ様に、その職場の経費管理としました。又、職場に掲示されている、稼働状況表にも、各エネルギー原単位の推移グラフを追加しました。この様に管理項目に反映し、職場に掲示することにより、エネルギー費の直課が実現し、管理と改善に作業者全員の目が向けられる様になってきました。(図9 エネルギー費の直課) |
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| 図9 エネルギー費の直課 |
・活動の「見える化」事例 省エネやりきりシート |
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| 現在、展開中のPEF活動では、エネルギーロスミニマム化を狙いに、工場全体でやりつくす活動をしていますが、その実効果を上げるには、設備のすぐ、そばにいる作業者が主体となって、最後までやり切る活動が、どうしても必要です。その方法として、我々は、省エネやりきりシートを作成し、7月から活動を開始しました。表3の省エネやりきりシートは、TR2号レクチラインの対策完了数36件で、やりきり度51点の時の事例です。横軸には、今まで我々が蓄積してきた省エネ手段を、縦軸には、設備名を並べ、様々な角度から、全設備を検討出来るようにしました。又、〇は、未対策、▲は、対策中、●は、対策済、−は、対策対象外です。この様に、省エネ手段毎に、全設備を検討し、やりきり度を自動採点し、100点満点を目標に活動していきました。もちろん、これに加えて、エネルギー管理システムの活用は、言うまでもありませんが、これらの活動が始まると各職場では、これに乗り、各QCサークルに、エコレンジャーが結成され、自発的に活動を開始し始めました。この活動では、活動開始直後から、多くのPDCAが一斉に回りだし、9月末での対策完了数は、122件となり、省エネ活動は、一大ムーブメントに発展していきました。これらの活動は、3つの「見える化」の相乗効果で抜け落ちなく最後まで、やりきる事の達成感、やったら効果が即分かるうれしさ、ゲーム感覚の楽しさが、現場の者の改善意欲高揚につながり、一大ムーブメントに発展したと考えます。この様に活動の「見える化」を実現した事により、家庭での省エネを上回り、自主的な活動として、エネルギーのJITを確実に進める活動になっていきました。 |
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| 表3 省エネやりきりシート |
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| 図10 活動の「見える化」 |
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| 5. 活動効果の確認 |
| ・省エネ意識評価 | |
| 省エネ意識評価では、再度アンケートを実施してみました。その結果、各「見える化」は、図11の様に向上することが出来ました。特に職場の意識は、飛躍的に向上し、平均点では、7.0となり、目標の6.8を達成する事が出来ましたが、家庭でも7.7に向上し、職場の活動が波及したと思われます。 |
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| 図11 省エネ意識評価 |
・エネルギー原単位低減の成果 |
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| 又、9月末現在のエネルギー原単位は、図12の様に16.2%低減となり、目標を達成中であります。 |
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| 図12 エネルギー原単位の低減 |
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| 6. 活動のまとめ |
| デンソーエコビジョン2005の環境方針に基づき、オルタ1工場は、そのモデル工場としてPEF活動を推進してきましたが。今回、従来型ラインをモデルに既存ラインの省エネ活動を推進しました。この活動では、短期に大きな成果を上げるには、自分たちPJチームだけでなく、全員参加の省エネ活動にする必要があると考え、よく見えている家庭の省エネを職場でやれば良いとし、使用量の「見える化」、支払いの「見える化」、活動の「見える化」、の徹底した「見える化」を推進してきました。その活動は職場で、一大ムーブメントとなり、問題意識の共有化、仲間意識の醸成、改善意欲の高揚をもたらしました。又、自分自身としては、今回の活動を通して、全員参加の活動の為には、各段階での「見える化」が非常に大切である事がよく理解出来ました。更に投資効果としては、総投資額6000万円に対して、効果は、2250万円となり、投資回収2.7年です。これらの活動を通して、全員参加の継続的改善活動の推進基盤が出来たと考えます。(図13 活動のまとめ) |
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| 図13 活動のまとめ |
| 7. 今後の取り組み |
| 今後の取り組みとしては、従来型ラインでの改善活動として、1]やりきりシートの継続推進、2]改善事例展示会開催を推進する事により、年度末目標のエネルギー原単位15%低減の目標を達成します。これは、年度末実績で17.8%と達成する事が出来ました。又、PEF活動の横展として、これらの活動を既存ラインの省エネ活動として他ラインに展開します。これは、現在、オルタ2工場に展開中です。尚、オルタ工場は、過去3回の省エネ活動優秀賞、経済産業局長賞などを獲得しており、この様な土壌の中で培われた省エネ活動を通して、更にものづくりに貢献していきたいと考えます。これで私の発表を終わります。有難うございました。 |
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| 図14 今後の進め方 |
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