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| 感電による人体への影響について | ||
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前回は現場作業に際しての感電防止について、労働安全衛生規則の見地から留意点をまとめてみたが、今回は感電そのものを掘り下げてみる。 問 そもそも感電という現象は、具体的に言うと、 どのようなことでしょうか。 答 感電とは別名では電撃とも言われる現象であって、一般に人体に電流が流れることによって発生するさまざまの症状を呈する現象のことです。 問 感電によるさまざまな症状とは、くわしく言えはどのようなものですか。 答 全体像を簡単にいいますと、人体に電流が流れた場合、単に電流を感知するだけの軽度の症状のものから、苦痛を伴う衝撃を受ける中度のもの、更には筋肉の硬直をもたらす重度に至るものと、最も危険度の高い心室細動による死亡など、種々の症状があります。感電とはこうした危険性を人体に与える現象と言えるのです。 問 なるほど、感電による危険性には、 いろいろな症状があるのですね。では、感電した場合、その危険性を決める要因は、どのようなことが考えられますか。 答 危険性の軽重については、感電時の複合的条件が付帯されることがありますが、主となる要因は、次のようなもので定まると言われています。 (1)通電電流の大きさと周波数 (2)通電時間 (3)通電経路(人体を通過した電流の経路) (4)電源の種類(交流、直流の別) (5)その他(心臓脈動の位相の感電位置など) 問 一言で感電といっても、その場合の要因によっては、その症状に差異があるわけですね。 答 そうですね。これらの要因から大局的に判断すると、通電電流が大きいほど、 しかも人体の心臓など重要な部分に電流が流入し、さらにその電流が長時間流れるほど危険性は高まるとされています。 問 感電による障害で、最も危険性の高いものは、どのようなものですか。 答 これはもう、電気管理者の職務にある人では認識されていることですが、いわゆる心室細動です。 問 医学的な定義をごく一般的な表現で言えば、どのような形で表現できますか。 答 心室細動とは、心臓がけいれんを起こし、心臓内部の心室が正常の脈を打てなくなるということです。その結果、血液の循環機能が停止し、数分以内に死亡、すなわちほぼ即死状態となるものといわれるものです。 問 人体機能の中枢部にダメージを受けるわけですね。改めて感電の恐ろしさを認識しました。この心室細動を発症させる電気的数値などは、わかっているのでしょうか。 答 諸説に、いろいろありますが、一般論で言えば、心室細動は、両手または手足の間の通電では、100mAで起こり得るといわれています。 問 人体は感電に対しては、もろいものなのですね。特に心臓臓器においては顕著であるといえますね。 答 そうです。国内における記録によると、感電死の大部分は感電発生時点における心臓停止の一種であるこの心室細動による即死であることが統計されています。 問 先に説明された感電による衝撃の度合いに係わる要因の中で、周波数にもよると挙げてありましたが、これについてはどうですか。また、直流においてはどのような影響がありますか。 答 説によると、心室細動を起こす電流値を周波数別に見ると、40〜100Hzで最低値を示し、直流においては商用交流の約2倍とされています。 問 では、もう一つの要因とされている通電時間との関係はどうですか。 答 これについては、電撃と人体反応の関係を示す表-1(参考)を見てもらえば、大体の数値が理解できます。他の資料によると、心室細動を起こす電流の実効値(imA)と通電時間との関係は、体重50kgの人が人体に1/120〜5秒通電されたとしますと、その通電時間(t秒)と電流実効値(imA)との関係は、i=110〜185/√tの値であると記されています。 問 いずれにしても、通電電流や通電時間は、非常にシビアな数値であることは間違いないことですね。先ほどの説明での心室細動の発生要因の一つとなる両手または手足への通電においては、心臓への影響はどのように考えられていますか。 答 これも資料によりますと、両手または手足の間の通電では、全電流の約2〜10%が心臓に流れ、両足通電でも0.4%が心臓へ流れると記されています。 問 なるほど、心臓への影響がわかりますね。では、もう一点、心臓脈動と感電との関係はいかがですか。 答 心室細動は、心臓が最も収縮したある期間、心電図でいえばP波のPeakより、少し前の30msの期間に通電を受けると、わずかな電流でも発生する可能性が高いことが分かっているとされています。 問 まさに微妙といわざるを得ませんね。感電による人体への影響としては、他に何がありますか。 答 感電による火傷があります。この場合は、特に人体の深部がおかされていることが多いので注意しなければなりません。高電圧による電撃傷の場合などは、人体抵抗のジュール熱が原因で、日をおいて組織が壊死する局所損傷に注意しなければなりません。程度の差こそあっても、電気火傷も感電事故の一つとなります。 (参考文献:「感電事故に対する応急処置」オーム社出版)
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