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背景資料

1. 先導研究の目的
エネルギーセキュリティと地球環境保全を両立させるためには、新たに化石燃料燃焼することなく排熱の有効利用による省エネルギーを推進することが重要である。現在、わが国で実用に供されている排熱有効利用技術は鉄鋼業界の炉頂発電やスーパーゴミ発電などの大規模・集中型のものが中心であり、小規模・分散型システムの開発が期待されている。熱電変換システムは半導体素子を利用して熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる、長寿命、小型・軽量、保守容易なシステムであり、小規模・分散型排熱の有効利用による省エネルギーやCO2排出量抑制等に資するものである。
このため本先導研究は、現状技術では利用困難な産業・民生・運輸部門から発生する未利用熱エネルギーを電気エネルギーとして変換するために必要な革新的素子材料の探索・製造及びこの素子を用いた熱電変換システムの開発に関する調査研究を行うとともに経済性や導入効果に関する検討を行うことを目的とする。
 
2. 高効率熱電変換素子開発先導研究
研究開発は、大学、国立研究所、企業・団体から参画を仰いだ先導研究委員会(委員長:湘南工科大学梶川武信教授)の指導のもと、平成12年度と13年度の2年間わたり、(財)省エネルギーセンター、(財)エンジニアリング振興協会、宇部興産(株)が共同で実施した。
 
3. 熱電発電の原理
熱電発電の原理
 
4. 熱電発電の適用効果(経済性の評価)
適用対象 熱電出力(W) 省エネ効果1) コスト
回収年数3)
対象製品の
販売台数
(万台/年)
熱電装置
売上金額4)
(億円/年)
削減燃料量2)
[原油換算量]
(万kL/年)
給湯器 100 4 15 190
(ガス、石油給湯器)
210
パソコン 0.5 0.2 79 620
(ポータブル型)
74
加熱炉
(真空加熱炉)
2,000 0.8 5.6 0.3 16
自動車
(貨物)
250
(530)
38 2.5 400
(乗用車、貨物・バス)
440

1) 各適用対象の販売台数(/年)に対し、熱電発電を4年間導入後の累積台数(適用率:初年度10%、2年度20%、3年度40%、4年度60%の段階的増加による)による省エネ効果
2) 給湯器、パソコン、加熱炉では、熱電発電量を、原油量に換算した(1kWh=2450kcal、原油発熱量9250kcal/L)。自動車では、燃料削減量を原油量に換算(原油1kLは、ガソリン0.88kL、軽油0.99kL相当とした。)
3) 装置コストを、削減できる電気代、または燃料代により回収する期間をもとめた。
〔装置コスト〕給湯器用18,200円、パソコン用1,980円、加熱炉用538,600円、自動車用18,250円
4) 熱電発電装置売上金額=〔装置コスト〕×〔販売台数(/年)の60%に導入した装置の台数〕


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