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背景説明

1. 省エネルギーは二酸化炭素の排出を削減する有効な手段
平成9年12月に開催された地球温暖化防止京都会議(COP3)で、日本は二酸化炭素に代表される温室効果ガスの排出量を1990年に対比して2008年から2012年の平均値で6%削減することを約束しました。
二酸化炭素の排出量の約9割はエネルギーの使用が発生源となっており、その対策として徹底した省エネルギーの推進が求められています。
このような状況のもと、省エネ法(エネルギー使用の合理化に関する法律)の改正があり、1999年4月から工場等についてのエネルギーの徹底した使用の合理化の推進に必要な措置等が講じられました。
 
2. 調査の概要
調査は下記のフロー図のとおり、実測調査とアンケート調査からなっており、両調査の結果より、家庭の待機時消費電力量の推計を行いました。
図1
図1.調査フロー
 
3. 調査結果
3.1 機器別の待機時消費電力平均値
実測により得られた各機器の待機時消費電力から、機器別の待機時消費電力平均値〔W〕を算出しました。
図2に示すとおり、待機時消費電力平均値(標準モード※)の一番大きい機器は衛星放送チューナー(12.3W)、以下ガス給湯器(8.4W)、オーディオコンポ(6.5W)と続いています。
図2
図2.機器別待機時消費電力平均値(標準モード)


※ 待機時消費電力は機器によっては以下のような電力レベルが存在します。
・オンモード:主電源を入れた状態で、かつ待機状態であるもの。(テレビのリモコン待ち状態など)
・オフモード:主電源を切った状態。
よって、待機時消費電力の評価(製造年別の待機時消費電力の比較など)を行う場合には、機器ごとに1つのモードを設定した方が評価が容易になるため、標準モードを3パターン設定し、各機器をそのいずれかのパターンに該当させました。
例) パターンa.((オンモード+オフモード)/2)・・・テレビ、ビデオ内蔵テレビなど
パターンb.(オンモード)・・・エアコン、高機能便座など
パターンc.(オフモード)・・・ビデオデッキ、オーディオコンポなど
 
3.2 待機時消費電力の推移について
最も待機時消費電力量の大きいビデオデッキについて、待機時消費電力値(標準モード)を製造年別の平均値で比較したところ、1993年以前の値は8〜10Wであるが、1994年ごろから減少傾向が認められ、値はそれ以前のおよそ半分、4〜5Wという結果となりました。
図3
図3.ビデオデッキの製造年別の待機時消費電力の推移
 
3.3 待機時消費電力量
実測調査により得られた機器別の待機時消費電力平均値とアンケート調査により得られた機器の保有台数、待機時消費電力の発生時間より、機器別の待機時消費電力量を算出しました。この結果を元に待機時消費電力量の世帯合計を算出すると398kWh/年・世帯となります(表1)。これは家庭の消費電力量の9.4%に相当します(図4)。
また、待機時消費電力量の内訳は図5のとおりとなります。

表1.機器別の待機時消費電力量
機 器 待機時消費電力量(kWh/年・世帯)
ビデオデッキ 96.6
ガス給湯機 49.4
オーディオコンポ 49.2
FAX付電話機 23.6
テレビ 21.1
留守番機能付き電話機 17.9
衛星放送チューナー 17.2
電子レンジ・電気オーブン 16.7
高機能便座 13.6
冷暖兼用エアコン 13.1
ポータブルシステム 9.9
パソコン 8.1
ビデオ内蔵テレビ 7.1
一般電話機(電話機子機) 6.4
ビデオディスクプレーヤー 5.8
電気炊飯器 5.3
洗濯機 5.2
その他 31.7
世 帯 合 計 397.9
※パソコンの平均値はセット合計値

図4図5
図4.待機時消費電力量の占める割合 図5.待機時消費電力の内訳
 
3.4 待機時消費電力削減の可能性について
3.4.1 使用方法の改善による待機時消費電力量削減の可能性
  使用方法による待機時消費電力の削減の可能性については次の3ステップについて検討しました。
(1) 使用時のみ電源スイッチをオンにし、非使用時は電源スイッチをオフにする。
(2) テレビや洗濯機のように、非使用時にコンセントを非接続にしても機能的に問題のないものをコンセントから抜く。
(3) ビデオデッキや高機能便座のように、コンセントを非接続にすると機能に一部支障があるものをコンセントから抜く。ファックス付き電話機のように、非接続にすることが不可能なものは接続したままとする。

この結果、(1)の対策をとった場合、301kWh/年・世帯となり、現状から97kWh/年・世帯の削減、(現状の待機時消費電力量から24.4%の削減)、(2)の対策をとった場合、231kWh/年・世帯となり、現状から167kWh/年・世帯の削減(現状の待機時消費電力量から42.0%の削減)となります。
図6
図6.使用方法の改善による待機時消費電力削減の可能性
 
3.4.2 機器の置き換わりによる待機時消費電力量の削減の可能性
  機器の置き換わりによる待機時消費電力の削減については、実測調査結果から、サンプル数が20以上で製造年が原則1998年以降の機器のうち、待機時消費電力値が低いものから3サンプルを抽出し、この平均値を最近の機器の待機時消費電力値としました(値は表2のとおり)。なお、機器の保有率、待機時消費電力の発生時間については現状のデータを使用しました。また、参考に機器の製造年が1997年以前のものだけを対象にした推計も行いました。
この結果、機器が最近のものに置き換わった場合の待機時消費電力は228kWh/年・世帯となり、現状から170kWh/年・世帯の削減(現状の待機時消費電力量から42.7%の削減)となります。

表2.最近の機器の待機時消費電力平均値
大区分 中区分 待機時消費電力平均値(W)
オンモード オフモード
AV機器 テレビ 0.19 0.05
ビデオデッキ 8.77 0.91
オーディオコンポ 13.39 4.16
ポータブルシステム 19.07 0.81
IT機器 パソコン(セット) 2.76
プリンタ 0.15
FAX付電話機 2.84
電話機(子機) 1.20
携帯電話機 0.19
調理・家事機器 電子レンジ・電気オーブン 0.00
電気炊飯器 0.86
オーブン・トースター 0.00
洗濯機 0.00
照明・その他機器 電気スタンド 0.00
高機能便座 1.98
給湯機器 ガス給湯機 6.64 5.78
空調機器 冷暖兼用エアコン 0.94 0.00


図7
図7.最近の機器に置き換わった場合の待機時消費電力削減の可能性


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