ECCJ Home | ビルの省エネルギー | 目次
1. オフィスビルのエネルギー消費の特徴 | 2. オフィスビルの省エネのポイント | 3. オフィスビルの省エネ対策のチェックポイント | 4. オフィスビルの省エネ事例 | 5. 運用改善による省エネ促進ツール・手法の活用
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オフィスビルのエネルギー消費の特徴
1.1 オフィスビルの部門別エネルギー消費
オフィスビルは規模が大きくなるほど、店舗等の一般オフィス以外の面積比が大きくなり、形態が多様化しています。下のグラフは、35,000m2程度のオフィスビルを例に、部門別面積割合と部門別エネルギー消費割合を示したものです。
オフィスビルの形態を表す指標としてはレンタブル比[一般オフィス面積/延床面積]があります。このビルの例ではレンタブル比は「オフィス専有」の52.6%となります。また、「オフィス共有」はオフィスフロアのエレベータホールやトイレなどを指しています。
1. 部門別面積割合
部門別エネルギー消費におけるグラフの値は、空調負荷及び照明・コンセント・換気等で消費した燃料・熱・電気の一次エネルギーの割合を示します。小グラフは、この内、オフィス専有部門の消費先割合を示したものです。共用部のエネルギーとは受変電設備、熱搬送、倉庫、機械室で消費された一次エネルギーを表します。オフィス共有部のエネルギーはトイレ・エレベータ・会議室・休憩室・応接室等で消費された一次エネルギーを表します。
部門別エネルギー消費割合


1.2 オフィスビルの用途別エネルギー消費
ビルのエネルギー管理では、どこで・どのくらい消費されているかエネルギー消費実態を把握することが重要です。
下の表はエネルギー用途の区分を示したものです。下のグラフは、レンタブル比60%以上(熱源有)のテナントビルを対象に表の項目と細目にしたがって分類したエネルギー消費割合を示します。
エネルギー消費構造

s エネルギー消費先区分 主なエネルギー消費機器 s
項 目 細 目
熱 源 熱源本体 冷凍機、冷温水機、ボイラ、他
補機動力 冷却水ポンプ、冷却塔、冷温水1次ポンプ、他
熱搬送 水搬送 冷温水2次ポンプ
空気搬送 空調機、ファンコイルユニット、他
給 湯 熱源本体 ボイラ、循環ポンプ、電気温水器、他
照明・コンセント 照 明 照明器具
コンセント 事務機器、他
動 力 換 気 駐車場ファン、他
給排水 揚水ポンプ、他
昇降機 エレベータ、エスカレータ、他
その他 その他 トランス損失、店舗動力、他
s
ビルのエネルギー消費構造の円グラフ

1.3 オフィスビルの形態別エネルギー消費原単位
下のグラフは、オフィスビルの調査データより、エネルギー消費構造の分析が可能な120件の有効データを抽出し、庁舎、自社ビル、テナントビルに分類し、さらにテナントビルについてはレンタブル比〔貸室面積比〕で層別し、エネルギー用途別のエネルギー消費原単位※(各データ群の中央値)を表示したものです。※エネルギー消費原単位:エネルギー使用量を生産数量又は建物床面積その他エネルギー使用量と密接な関係を持つ値で除したものこの結果より以下のことが分かります。
@ 庁舎は、一般のオフィスビルに比べて空調運転期間・室内温度及び照明の消灯等の管理が徹底されているところが多く、それらの省エネ取組みが原単位として表れていることが考えられます。
また、議場のように常時使用されていない部分を面積に含んでいます。
A DHC(地域熱供給)のビルは、都心の規模が大きい超高層・高層ビルが多く、窓が開かない等の構造により空調時間が長くなることや、業務の性質上、就業時間の長いテナントが多く入居している等の理由により、原単位が大きくなっていることが考えられます。
B レンタブル比が小さい程、原単位が大きい傾向にあります。これは、エネルギー消費原単位の大きなオフィス以外
の店舗の面積比率が高いためと考えられます。
オフィスの形態別エネルギー消費原単位
※中央値とはデータを大小の順番に並べた時、真ん中に位置する値をいいます。

1.4 オフィスビルの規模別エネルギー消費原単位
下のグラフは、オフィスビルの調査データの内、庁舎を除いたものを面積規模で層別し、オフィスの規模別エネルギー 消費原単位(各データ群の中央値)を表示したものです。
この結果より、規模が大きいほど原単位が大きくなる傾向にありますが、これは建物の高層化に伴う水搬送動力と昇 降機におけるエネルギーの増加が影響していると考えられます。
オフィスの規模別エネルギー消費原単位
※中央値とはデータを大小の順番に並べた時、真ん中に位置する値をいいます。

1.5 オフィスビルのエネルギー消費の相関関係
下のグラフは、オフィスビルの調査データの内、レンタブル比40%以上のテナントビルについて、延床面積と年間総エネルギー消費量の相関関係を表したものです。グラフより、延床面積と年間総エネルギー消費量は高い相関関係がみられます。また、相関関係は、熱源保有のビルより、DHC(地域熱供給)の方が高くなっています。
延床面積とエネルギー使用量(一次換算値)の相関グラフ
※中央値とはデータを大小の順番に並べた時、真ん中に位置する値をいいます。
空調エネルギーの相関について
空調エネルギーと規模[延床面積]との関係は、熱源エネルギー消費量より熱源(冷凍機・補機)+熱搬送エネルギー(ポンプ・ファン)の方が相関関係は高くなっています。このことから、空調の原単位を管理する際は、熱源+熱搬送エネルギーで管理することがポイントであると考えられます。
照明・コンセントのエネルギーの相関について
一般にオフィスビルでは、照明・コンセントを分離せず一括計量(課金等の目的)で管理されています。グラフに示した ように、一括データに比較して照明エネルギーを分離した場合のほうが相関が高くなっています。これは、照明に比べ、コンセント負荷の方はオフィスのOA機器の設置状況等により大小があるためと考えられます。このことから、エ ネルギー管理の観点から照明とコンセントを別計量で管理することが望ましいと考えています。
レンタブル比60%以上
レンタブル比40%以上60%未満

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