エネルギーの使用の合理化に関する基本方針
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平成5年7月 6日
平成5年7月15日
閣議決定
通商産業省告示第361号

目次
第1 エネルギーの使用の合理化のためにエネルギーを使用する者等が講すべき措置に関する基本的な事項
第2 エネルギーの使用の合理化の促進のための施策に関する基本的な事項
第3 適用期日


燃料資源の大部分を輸入に依存せざるを得ないエネルギー事情の下にある我が国においては、近年の国民経済の発展に伴う生産、流通及び消費の拡大、国民のライフスタイルの変化等を背景に、エネルギーの使用量は高い水準で増加している。しかしながら、国際的なエネルギー需給が逼迫するおそれは、恒常的に存在しており、また、主としてエネルギーの使用に起因する二酸化炭素の排出等による地球温暖化は、人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある重大な問題となっている。
この基本方針は、このような認識の下に、工場又は事業場(以下単に「工場」という。)、建築物、機械器具等に係るエネルギーの使用の合理化を総合的に進める見地から、必要な事項を定めるものである。当該事項の実施に当たっては、エネルギーの使用量が国民経済の発展及びエネルギーの使用の合理化の推進に依存するとともに、産業構造、企業行動、交通体系、国民のライフスタイルその他の社会のあり方の変化によっても影響を受けることに留意しつつ、平成12年度及び22年度における我が国のエネルギーの使用量を、概ね石油代替エネルギーの供給目標(平成2年通商産業省告示第470号)の策定に当たり勘案されているエネルギー需要の長期見通しの水準とすることを目標とする。

第1 エネルギーの使用の合理化のためにエネルギーを使用する者等が講すべき措置に関する基本的な事項

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1. 工場においてエネルギーを使用して事業を行う者が講ずべき措置
(1)工場においてエネルギーを使用して事業を行う者は、次の各項目の実施を通じ、エネルギー消費原単位の改善を図るものとする。
@エネルギーを消費する設備の設置に当たっては、エネルギー消費効率が優れ、かつ、効率的な使用が可能となるものを導入すること。
Aエネルギー消費効率の向上及び効率的な使用の観点から、既設の設備の更新及ぴ改善並びに当該既設設備に係るエネルギーの使用の制御等の用に供する付加設備の導入に努めること。
Bエネルギーを消費する設備の運転並びに保守及ぴ点検その他の項目に関し、管理標準を設定し、これに準拠した管理を行うこと。
Cエネルギー管理者の的確かつ十分な活用その他工場における総合的なエネルギー管理体制の充実を図ること。
D工場内で利用することが困難な余剰エネルギーを工場外で有効利用する方策について検討し、これが可能な場合にはその実現に努めること。
(2) エネルギーの供給の事業を行う者は、(1)に掲げる各項目の実施を通じエネルギーの転換における効率の向上を図るとともに、エネルギーの供給のための施設全体としてのエネルギー消費効率が需要の変動に応じて最良となるような効率的な施設の運用及びエネルギーの輸送における損失の低減を図るものとする。

2. 建築物の建築主が講ずべき措置
建築物の建築をしようとする者は、当該建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及び当該建築物に設ける空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用を図るため、的確な設計及び施工を行うとともに、エネルギー消費効率が優れ、かつ、効率的な使用が可能となる空気調和設備等を設置するものとする。

3. 建築物の所有者等が講ずべき措置
(1)建築物の所有者は、当該建築物の状況、投資効果等を総合的に勘案しつつ、次の各項目の実施に努めるものとする。
@エネルギー消費効率の向上及び効率的な使用の観点から、エネルギーを消費する既設の設備の更新及び改善並びに当該既設設備に係るエネルギーの使用の制御等の用に供する付加設備の導入に努めること。
A建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及び当該建築物に設ける空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用の観点からの当該建築物の性能を維持するよう適正な管理を行うとともに、当該性能の維持ないし向上を図るため、改修その他の所要の措置についても検討すること。
(2)建築物の所有者又はその委託等を受けて当該建築物におけるエネルギーを消費する設備の管理を行う者は、当該設備の運転並ぴに保守及び点検その他の頃日に関し、管理標準の設定その他の措置により適正な管理を行うよう努めるとともに、テナントとの連携を含む当該建築物におけるエネルギー管理体制の充実を図るものとする。

4. 建築材料の製造事業者が講ずべき措置
建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止の用に供される建築材料を製造する事業を行う者は、断熱性の高い建築材料の開発及び製造及び断熱性に係る品質の表示、施工の容易性の向上等を通じた断熱性の高い建築材料の普及に努めるものとする。

5. 機織器具の製造事業者等が講ずべき措置
(1) エネルギーを消費する機械器具の製造の事業を行う者は、その製造に係る機械器具につき、製品開発、設計、試作、量産の各段階においてエネルギー消費効率の向上に力点を置いた事業活動を展開するとともに、需要家の実情に応じた機械器具の効率的な使用を可能とする技術の開発及び導入に努めるものとする。
(2) エネルギーを消費する機械器具の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、よりエネルギー消費効率が優れ、かつ、より効率的な使用が可能となる製品の比率が向上するよう、消費者の適正な選択に資する情報の提供その他所要の措置を講ずるものとする。

6.機械器具の使用者が構ずべき措置
自動車、冷暖房機器、給湯用機器、照明機器、事務用機器その他のエネルギーを消費する機械器具を使用する者は、その導入に当たって、エネルギー消費効率が優れ、かつ、効率的な使用が可能となるものを可能な限り選択するとともに、適正な管理による機械器具の性能の維持、無用なエネルギー消費の防止等を通じ、当該機械器具の効率的な使用を図るものとする。

7. エネルギーの使用の合理化に資する技術の開発及び普及
工場においてエネルギーを使用して事業を行う者、建築物の設計又は施工の事業を行う者、機械器具の製造の事業を行う者その他の事業者は、エネルギーを消費する設備等の使用方法の改善及ぴエネルギー消費効率の向上に係る技術、建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止及ぴ建築物に設ける空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用に係る技術その他のエネルギーの使用の合理化に資する技術の開発及び普及に努めるものとする。

8. 地域におけるエネルギーの効率的利用に資するエネルギー需給システムの導入及び普及
我が国においてエネルギーの使用の合理化を総合的に進める上で、廃熱の有効利用、未利用エネルギーの活用等を通じ一定地域においてエネルギーを使用する複数の者全体としてのエネルギーの効率的利用を図ることは、大きな意義を有するものであることを踏まえ、エネルギーを供給する者は、当該地域におけるエネルギー供給源の賦存状況、エネルギー需要の構造等を勘案した最適なエネルギー需給システムの導入及び普及に努めるものとする。エネルギーを使用する者は、かかるエネルギー需給システムの導入及び普及に対し、可能な限り協力するものとする。

第2 エネルギーの使用の合理化の促進のための施策に関する基本的な事項

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1. エネルキーを使用する者等として国及び地方公共団体自らが構ずべき事項
国及び地方公共団体は、自らエネルギーを使用し、エネルギーの供給の事業を行い、又は建築物の建築主、設計者若しくは所有者となる場合においては、率先して「第1エネルギーの使用の合理化のためにエネルギーを使用する者等が講ずべき措置に関する基本的な事項」に掲げる各事項(以下「特定事項」という。)を実施し、エネルギーの使用の合理化に資するよう努めるものとする。

2. 設備投資等に対する支援
国は、特定事項に即して行われるエネルギーの使用の合理化に資する設備の設置その他のエネルギーの使用の合理化に資する事業活動を支援するため、財政上の措置等の必要な措置を講ずるよう努めるとともに、それらの措置に係る十分な情報の提供を行うものとする。

3. エネルギー管理に対する支援
国は、特定事項に即して行われるエネルギー管理体制の充実、機械器具の効率的な使用その他の措置の実施を支援するため、エネルギーの使用の合理化に従事する技術者の育成及び確保並びにエネルギーの使用の合理化に係る技術的知識の普及を図るものとする。

4. 技術開発に対する支援
国は、特定事項に即して行われるエネルギーの使用の合理化に資する技術の開発を支援するため、財政上の措置等の必要な措置を講ずるよう努めるとともに、それらの措置に係る十分な情報の提供を行うものとする。

5. 地域における最適エネルギー需給システムの導入及び普及に対する支援
国及び新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「機構」という。)は、廃熱の有効利用、末利用エネルギーの活用等を通じ一定地域においてエネルギーを使用する複数の者全体としてのエネルギーの効率的利用を図るエネルギー需給システムの導入及び普及を支援するため、財政上の措置等の必要な措置を講ずるよう努めるとともに、それらの措置に係る十分な情報の提供を行うものとする。

6. 研究開発の推進等
エネルギーの使用の合理化を進める上で、エネルギーの使用の合理化の促進に資する科学技術の振興を図ることは、大きな意義を有するものであることを踏まえ、国及び機構は、研究開発の推進及びその成果の普及等に努めるものとする。

7.国民に対する教育、広報等
エネルギーの使用の合理化を円滑に進めるためには、その担い手である国民一人一人の理解と実践が不可欠であることを踏まえ、国は、教育活動、広報活動等を通じて、エネルギーの使用の合理化に関する国民の理解を深めるよう努めるものとする。

第3 適用期日

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この基本方針は、平成5年8月1日から適用するものとする。

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