ECCJ Home | 省エネお役立ち | 目次 1.病院のエネルギー管理と省エネ推進 | 2.病院のエネルギー消費の特徴 | 3.病院の部門ごとの対策 | 4.病院の主な省エネ対策手法 | 5.病院の省エネ対策事例 | 6. 運用改善による省エネ促進ツール・手法の活用 |
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■ 外調機を利用した冷水製造 |
外気処理空調機を利用して、冬期に冷水を製造するシステムです。 | |
右図において@冷凍機、A冷水一次ポン プ、B冷却塔、C冷却水ポンプを外気条件によって停止、D冷水調節弁を開放してE 外調機の冷水コイルによって冷却します。 外調機で冷却された冷水をFファンコイルユニット等へ供給し冷房に利用します。一方、外気は冷水コイルで予熱されているためG温水の負荷も小さくなります。この例では600RTの冷凍機を停止でき、年間で都市ガス17万m3、電力22万kWh、 エネルギーコストで約1千2百万円の削減を実現しました。外調機が2コイルで冬期に冷房需要のある場合は大きな検討アイテムの一つといえます。 |
■ 冷水温度設定変更による冷凍機効率向上 |
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実測データの一部を右下図に示します。これに基づいて2006年度のデータをベースにシミュレーションでその効果を算出しました。冬期3ヶ月間のCOPが60%向上し、3,200kWhの電力削減になっています。 |
2008年に実施した省エネ運転の結果と基準運転による2006年のデータと比較したグラフを下図に示します。 |
■ 二次ポンプの運転制御 |
大規模病院では複数の冷水二次ポンプが設置され、台数制御をはじめさまざまな流量コントロールが行われています。某大病院の例を示す右図は台数制御+1台インバータ方式から全数インバータを導入した例を示しています。全台インバータによる@定圧力制御とA変圧力制御の運転実測データから装置特性を求め、前年度の運転実績に基づいてシミュレーションを行ないました。 バイパス弁制御、1台インバータ+台数制御、全台インバータによる定圧力制御と変圧力制御の4ケースについて求めた結果を最下図に示します。設備改善後は変圧力制御を行なうことにより改善前に較べて動力消費量が56%(70,000kWh/年)も削減できることが分かりました。 |
上図は送水圧力と動力消費量の実測値に計算による理論曲線を重ねたもので極めてよく一致しています。このデータから得られた装置特性を右表に示します。複数台の二次ポンプを擁する大規模病院においては全台数にインバータを導入し、変圧力制御で運転するのが最も省エネになることが検証できました。 |
■ 外調機の間欠運転 |
病院は感染耐性の弱い患者で占められています。温湿度に加えて空気質についても十分に配慮された空調が必要です。それゆえに過大な設備で過剰な運転になりがちな一面も否定はできません。 安全・快適な空気環境を確保しながら設備の過剰運転を見直し、エネルギーのロスを防がねばなりません。空気環境を担保する空調換気設備に対して日本医療福祉設備協会が定めた「病院空調設備の設計・管理指針(HEAS-02-2004)」があります。これによれば、空気質条件として一般清潔区域の外気量は室気積に対して最小2回/h、室内環境は建築物環境衛生管理基準によるCO2濃度1,000ppm以下を遵守するよう定めています。この基準を遵守する範囲で空調換気設備の運用管理の合理化を図り、省エネ推進につなげます。 某病院の外調機の運転改善とその省エネ効果について紹介します。 下の2図は1階内科外来待合室と3階病室の外調機の運転を1日に4時間短縮してCO2濃度の時刻 トレンドを実測した結果を表しています。いずれも空調機の間欠運転による環境の悪化は起こっていません。 |
手術室系統を除く一般清潔区画系統の外調機13台のファン容量は定格合計42.75kW軸動力合計36kWであり、これらを冬期は運転開始を1時間遅らせるとともに、年間を通じて間欠運転により1日に3時間の運転短縮を行なった場合のファン動力の削減量は |
すなわち、電力料金をフラットレートで15円/kWhとすれば、43,740kWh/年×0.015千円/kWh≒656千円の削減になります。 このほかに外気の温湿度処理に要する熱量が削減できるので削減額はもっと大きくなりますが、今回は実測の検証ができなかったので除外しました。 これは、あくまでも当該病院の当該エリアに限定した方策であり、他の病院やエリアにこの手法を導入する場合は、それぞれに応じた詳細な調査検討により慎重に対応しなければなりません。 |
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