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1.事業の概要 | 2.調査の方法3.技術ニーズ調査4.省エネルギー調査5.スピルオーバー講演会
6.省エネルギー技術データベース7.まとめ委員会名簿報告書全文(PDF形式:328KB)

第1章 事業の概要
 1.1 事業の目的1.2 事業の背景1.3 事業の内容1.4 事業の推進体制

 1.1 事業の目的

 エネルギーの使用および転換に係る先導的技術を調べ、優秀な省エネルギー事例、技術、機器設備、システム等を抽出・分析し情報として整理する。これらの情報を公開・広報し、分野・業種・部門を超えて普及促進させるスピルオーバーによって省エネルギーの促進に貢献することを目的とする。

 1.2 事業の背景

 我が国の最終エネルギー消費は、近年は一部に明るさが見られるが長期にわたる景気の低迷等を背景にほぼ横ばいとなっている。一方、原油価格の国際市場の動向については予断を許さず、また、豊かさを求めるライフスタイルの進展にともない、民生・運輸部門は増加傾向にある。
 産業部門のエネルギー消費は、全消費エネルギーの約47%を占めており、依然として大きいが、その増加率は1990年度比約1.1倍と概ね横ばいで推移しているものの、民生、運輸部門のエネルギー消費は1990年度比約1.3倍と大幅に増加している。特に、運輸・旅客部門における自家用自動車の増加、民生業務部門におけるオフィス・大規模ビルの延床面積の増加やIT化の進展等によりエネルギー消費は増加しており、その増加率は1990年度比約1.4倍と伸びが著しい。産業部門のみならず民生および運輸部門の一層の省エネルギー普及・促進が必要であり、即効性のある新たな施策や新たな技術革新が必要である。
 このような背景に基づき、2001年6月に総合資源エネルギー調査会省エネルギー部会において、今後の省エネルギー対策のあり方が示され、需要サイドの観点から戦略的に技術開発を進めていくことの必要性が指摘された。これを受けて省エネルギー技術戦略(2002年6月)では、技術による効果的貢献の方策として、技術ニーズに立脚した技術シーズを部門・分野を越えて積極的に波及させるスピルオーバーの促進が重要と位置づけている。

*「スピルオーバー(Spill-Over)」とは、水があふれ出る状態を表し、これから、通信分野では電波が漏れる状態、化学分野では触媒表面を化学種が移動し反応が促進される現象、経済分野では公共投資による派生的波及効果等を意味する専門用語である。
 省エネルギー技術分野では、業種横断的、基盤的な技術が他の分野・部門へと波及し、そこでの技術開発・改良により、より優れた省エネルギー技術になること、さらにこの技術が他分野・部門に波及し、循環的に技術が成熟することを意味する。
 優秀な省エネルギー技術を他分野・部門に適用拡大することにより、開発費の重複した投資がなく、開発期間が短縮され、即効的であるという利点がある。省エネルギー効果の高い開発技術や省エネルギー事例は、多くの優れた要素技術や省エネルギー手法を包含しており、これをスピルオーバーすることにより省エネルギー促進に即効的な貢献が期待できる。

 1.3 事業の内容

 平成15年度は、前年度に引き続き、省エネルギー技術ニーズの把握、技術シーズの把握、ニーズとシーズの交流、データベースの整備を行った。

1.3.1 技術ニーズの把握
 事例発表大会の全国9地区大会、東京および大阪の全国大会において、改善したい計画中の省エネルギー課題をアンケートにより情報を収集し、省エネルギーニーズを把握し、分析した結果を第3.1節に示した。このアンケートでニーズの多かった「インバータ技術」関連技術については、スピルオーバー講演会において講演を行った。
1.3.2 技術シーズの把握
   省エネルギー技術の実施事例、省エネルギー優秀機器開発企業等の各種資料により、他分野においても適用することが有望な技術を抽出し、第6.1節および第6.2節に整理・分類した。
この整理した成果はスピルオーバー講演会予稿集および本報告書としてホームページに掲載し公開する。
また、横断的な技術調査に関しては、前年度定性的に把握した乾燥・除水・除湿技術について、使用分野・業種、操作条件、省エネルギー量等の定量指標などの調査を行い、その成果を第4章に示した。
1.3.3 技術ニーズと技術シーズとの交流
 上記で収集した技術情報をもとに、シーズ技術のキーポイントという観点から整理し、これら技術をスピルオーバー講演会、ホームページなどの場において広報し、技術ニーズと技術シーズとの交流を図った。講演会の概要を第5章に示した。
1.3.4 データベースの構築
 前年度までに収集したデータベースについて、DB個票の内容の見直しおよび科学技術振興機構(JICST)科学技術分類の技術体系を参考にして検索キーワード構造体系を整理し、データベースとしての利便性の改善を行い、その成果を第6.3節に示した。

 1.4 事業の推進体制
1.4.1 事業の全体構成

 本事業の目標とするスピルオーバー促進に貢献する情報提供の全体構想を図1.1に示す。省エネルギー技術は多分野の学術成果を包含して成長・進歩しており、複数の技術分野の先進的知識が融合されて、優れた省エネルギー技術が創出されている。
 また、省エネルギー技術ニーズも単一の技術分野で応えられるものは少なく、複数の技術分野の協力によらなければ飛躍的な省エネルギー効果が得られないニーズが多く、図1.1に示す全体構成は広く技術情報を共通のテーブルに集め、融合によりニーズに応える新たな対策技術を創出するイメージである。

 優れた省エネルギー事例にはシステム技術の貴重な概念や具体的な構成・制御方式が示されており、省エネルギー効果を高めた要素技術や素材料の進歩が秘められているので、それらの技術分析を行い、省エネルギー技術データベースとして技術情報を整備し公開する。
 具体的な省エネルギー技術のスピルオーバーメカニズムの概要を図1.2に示す。
 ある省エネルギー技術を他分野、他部門にスピルオーバー促進するポイントは、どのようにその技術の有用性を技術シーズサイドから技術ニーズサイドに広報し、お互いの情報交流を促すかにある。
 技術シーズサイドの技術情報はスピルオーバー講演会、ホームページ、データベースなどを通じて技術ニーズサイドに公開・広報される。これによりシーズとニーズの交流が促進される。この結果、相談窓口、連携機関、ESCO(Energy Service Company)事業などの場で具体的な事業推進案が検討・策定され(交流事業)、両者の合意により企業の自主導入事業または公的支援を受けた導入支援事業として実用化される。

技術のスピルオーバーの重要性

スピルオーバー促進事業の全体構想図
図1.1 スピルオーバー促進事業の全体構想図
スピルオーバーメカニズムの概要

1.4.2 事業の経過
 平成15年度の事業経過を表1.1に示す。事業の主要な内容は下記のようであり、一部、年度当初の計画とは異なっているところもある。
1)  省エネルギー技術普及促進(スピルオーバー)委員会を4回開催し、事業の推進に関して有益な議論・助言を頂いた。
2)  研究講演会については、省エネルギー優秀事例、地方大会および全国大会において、スピルオーバーの解説、優秀省エネルギー要素技術の紹介、事例に見られる省エネルギー手法の解説等を行った。
3)  技術ニーズと技術シーズの融合の場については、優れた省エネルギー技術の新たな適用先を拡大することを最大の目的として、優秀省エネルギー機器、省エネルギー実施事例等の省エネルギー技術についてイブニングセミナー、実施事例大会、スピルオーバー講演会において解説を行い、技術交流の場とした。
4)  業種横断的技術として、昨年度に引き続き除水・除湿関連技術について調査し、産業分野ごとに利用される除水機器、除水機器の適用産業分野、除水エネルギー消費実態等を把握した。
5)  技術ニーズの把握のため、省エネルギー実施事例、地方大会および全国大会において、アンケート調査を実施し技術ニーズを整理・分析した。

表1.1 平成15年度省エネルギー技術普及促進事業  スケジュール
平成15年度省エネルギー技術普及促進事業  スケジュール

1.4.3 委員会の設置
 事業の推進については、技術ニーズに対応する優れた省エネルギー技術が効果的に波及促進する仕組みを創出するとともに、技術のスピルオーバーを促進させる場合の課題について議論し、加速的に省エネルギー技術の普及促進を図る方策を系統的に整理し方向性を示すことを目的として、専門家による省エネルギー技術普及促進(スピルオーバー)委員会を設置した。

本委員会は、下記の内容で開催された。
第1回委員会(平成15年6月19日)
  • 省エネルギー技術データベースについて
  • 平成14年度調査報告書について
  • 平成15年度事業計画について
第2回委員会(平成15年10月30日)
  • 平成15年度事業計画について
  • 省エネ事例大会におけるアンケートについて 
  • データベース進捗状況について
第3回委員会(平成15年12月12日)
  • 省エネ事例大会について
  • 省エネ事例大会におけるアンケートについて
  • ENEX展について
第4回委員会(平成16年2月3日)
  • 省エネ事例大会、全国大会について
  • スピルオーバー講演会について 
  • 追跡アンケートについて 
  • H15年度調査報告書骨子案について

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