家族みんなでCO2削減にチャレンジ!
 神奈川県 川崎市地球環境保全行動計画推進会議 市民部会・省エネチーム チームリーダー 阪口 拓造


私たち市民部会・省エネチームは、平成14年1月から平成16年3月まで3年余りにわたって、川崎市の一般市民に対するCO2削減の啓蒙と省エネ実践運動の普及を計画し、市民運動を実施してきました。今回は運動に参加し省エネを実践したチャレンジャー174家族のデーター分析とその効果をレポートします。

実践世帯は確実に電力使用量削減を達成

 市民部会・省エネチームは、川崎市地球環境保全行動計画推進会議(市民・行政・事業者・学校の各部会)の支援を受けて、一般市民に対するCO2削減の啓蒙と省エネ実践運動の普及を図るための市民運動を実践してきました。省エネ実践を行うチャレンジャーの募集は一般市民を対象に、幅広い呼びかけと講演会などのPR活動を行い、応募案内の配布は約15,000枚、「市政だより」にも特集を掲載するなど45万家庭に協力を呼びかけました。その結果チャレンジャーに参加を申し出た家族は430で、実際にチャレンジ後のデータ提供があったのは174家族でした。

◆削減できた家族と増加に転じた家族

 チャレンジャー174家族の集計では「削減できた家族」が96家族(55%)、「増加に転じた家族」が73家族(42%)と大きく2つのグループ(Gr.)に分かれました。電気使用量の変化を「削減Gr.(削減量)」「増加Gr.(増加量)」で見てみると、1家族あたり年間、削減Gr.では384kWh削減し、増加Gr.では298kWhの増加となり、全体では87kWhが削減されました。使用量で比較すると増加Gr.のほうが削減Gr.より172kWh少なくなっていました。これは前年使用量の影響があったもので、極端に増加傾向に転じたとはいえません。また2000年の全市での1世帯あたりの年間使用量と比較すると、2つのグループとも下回っています。

◆実施し易いメニュートップ3は…

 チャレンジ・メニューの実施状況を分析してみると、削減Gr.はもともと電力量水準が高く初挑戦の家族が多いようです。比較的こまめに実践し、実行メニューも数多くて、平均3〜4項目について実施しています。とくに照明、待機電力、温水便座など削減効果の高い項目を実施していました。
 一方、増加Gr.は、これまでの省エネ実践でかなり電力使用水準が下がってきている世帯と、あまり実行しなかった世帯とに分かれています。意志の強い方でも効果が上がらなければ実施メニューも単調になり、夏の暑さや冬の寒さに加え家族の結束が伴わなくなると根気も薄れてくるようです。実行メニューも平均3項目と低かったことも特徴的でした。



 チャレンジャー数430に対して実践報告数174は少ないのかどうか? データーは詳細で多量であることが良いとされますが、しかし、真実を読み取るには数字に潜んでいる見えないデーターに「なぜ? もし?」をもって迫らなければなりません。データーを提出された40%の方々は、自分が得た情報を公開の場に(使命感とともに)提供されたということです。残る60%の方々は、「実践するつもりが何らかの理由でできなくなった」「望ましい結果が得られなかったために公開できない」「個人情報が確実に守秘される保障がない」「わずかな個人の情報など地球環境改善に役立つはずがない」「地球温暖化防止の総論には賛成したが、実践は窮屈で面白くない」などの理由が考えられます。
 このように地道な実践活動と個人情報提供を伴う運動の展開は難しいものです。また、昨年比で電力使用量が増加した世帯が削減した世帯より電気使用量が少ないことが明らかとなっていますが、使用量レベルが高いから削減できるのであって、一定の水準まで絞ってきた家族は普通のメニューではこれ以上減らせないといえます。増加に転じた世帯ではメニューが単調になる傾向があり、削減できた世帯ではあれこれいろいろやっているところが興味深いところです。
 実践に参加したチャレンジャーに「あなたは来年も再チャレンジしますか?」との問いには「する」と回答した方々が56%いました。この市民感覚が生活スタイルを変えていく、まさに地球家族といえるのかもしれません。引き続き率先して省エネにチャレンジされて、市民のエコライフ活動の推進者が広がっていくことを期待しています。
 今後運動を継続していくに当たっては、メニューの説明や解説を文字を代えて絵や画像でアピールして、メニューの内容を分かりやすくするなどの工夫が必要だと考えます。削減が順調に行っていると理解も取り組みもうまくいくのですが、効果が上がらなかったりすると、疑問がわいてきたりするようです。チャレンジャーにとっては家族の理解と結束に苦労している様子が分かり、それがストレスになっている実態が浮かび上がってきます。今後は「より楽しく」「負担をかけない」などの工夫をしていかなくてはならないでしょう。

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