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第1部 工場の省エネルギー診断結果 | 第2部 省エネルギー改善提案事例
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第2部 省エネルギー改善提案事例
3. ボイラー・工業炉・加熱装置等
事例3-1 エコノマイザの設置
現状の問題点 ボイラーで廃熱回収がされていない。
改善対策 エコノマイザ(給水加熱器)を設置する。
事例3-1 エコノマイザの設置
効果試算
■計算式
 エコノマイザ回収熱量(kJ/h)=乾き排ガス量(Nm3/h)×エコノマイザ凾(℃)×定圧平均比熱 (kJ/(Nm3・℃))

■計算条件
 ボイラー実績:1日11時間、2基稼動、1日の重油使用量:11,608 L/日、
        乾き排ガス量: 5,740 Nm3/h、年間重油使用量:2,099 kL/年
 エコノマイザ:凾=50℃、 低圧平均比熱:1.3 kJ/(Nm3・℃)
 A重油低発熱量:39.1 GJ/kL=39,100 kJ/L、 A重油単価:40 千円/kL

■省エネルギー効果
 エコノマイザによる回収熱量:5,740 Nm3/h×50℃×1.3 kJ/(Nm3・℃)=373,000 kJ/h
 重油換算: 373,000kJ/h÷39,100kJ/L=9.54 L/h
 ボイラ2基、1日の重油削減量:9.54 L/h×2×11h/日=210 L/日
 1日の重油削減率:210 L/日÷11,608 L/日=1.81%
 重油削減量:2,099 kL/年 × 0.0181 = 38.0 kL/年
効果


事例3-2 ボイラーファンのインバータ化
現状の問題点 ボイラー用ファンモータ(22 kW)がダンパで風量を70%に絞って運転されている。
改善対策 ダンパ開度を100%とし、インバータによる回転数制御を行い、ファン駆動電力の低減
を図る。
事例3-2 ボイラーファンのインバータ化
効果試算
■計算式
 電力削減量(kWh/年)=モータ容量(kW)×モータ負荷率(%)×回転数制御による動力節減率(%)×稼動時間(h/年)

■計算条件
 ファン駆動モータ:22 kW、モータ負荷率 80%
 インバータ導入時:回転数は現状の70%(即ち、動力は0.73=0.34)
 運転時間:24h/日×210日/年、 電力単価:11.33 円/kWh
.
■省エネルギー効果
 現状使用電力量:22 kW×0.8×24時間/日×210日/年=88,704 kWh/年
 インバータ導入後使用電力量:22 kW×0.8×0.34×24時間/日×210日/年=30,159 kWh/年
 電力削減量:88,704 kWh/年−30,159 kWh/年=58,500 kWh/年
効果


事例3-3 トンネル炉の空燃比管理
現状の問題点 2基の連続トンネル炉(重油炉、LPG炉)は空気比管理が行われておらず過剰空気燃焼とな
っている。
現状は、排ガス温度800℃、空気比1.5程度である。
改善対策 空気比を1.3に調整する。図から10 %の燃料節減が出来る。
事例3-3 トンネル炉の空燃比管理
効果試算
■計算式
 燃料削減量(kL/年)=トンネル炉燃料使用量(kL/年)×燃料削減率(%)

■計算条件
 燃料使用量:A重油  1,444kL/年  LPG 1,008 t/年
 燃料単価: A重油 28,800円/ kL  LPG 53,800 円/t
 燃料削減率:10%

■省エネルギー効果
 燃料削減量:A重油 1,444kL/年×0.1=144.4 kL/年
       LPG  1,008t/年×0.1=100.8 t/年
効果


事例3-4 ボイラーの空気比改善
現状の問題点 ボイラー排ガスの酸素濃度が高く、空気比が大きいため、排ガス損失が大きい。
改善対策 燃焼管理を強化して空気比を下げ、また連続ブロー量を下げて省エネルギー化を図る。
事例3-4 ボイラーの空気比改善
効果試算
■計算式
 燃料削減量(kL/年)=現状の燃料使用量(kL/年)×削減率(%)

■計算条件
 排ガス中のO2濃度:現状10.6%(空気比m=2.0)、改善後4.8%(空気比m=1.3)
 排ガス温度:150℃
 現状燃料使用量:灯油1,929kL/年、灯油単価:29千円/kL

■省エネルギー効果
 燃料使用量は、図から3%削減されるから、
 燃料削減量:1,929 kL/年×0.03 = 57.9 kL /年
効果


事例3-5 工業炉の低空気比燃焼
現状の問題点 炉で燃料を完全燃焼させるには、理論空気量より若干過剰な空気量が必要であるが、あま
り過剰な空気量は排ガス量を増やし、排ガス熱損失が増加する。
改善対策 不完全燃焼を起こさない範囲で極力少ない空気量で燃焼する。
現状の空気比1.76を基準空気比1.3まで下げる。
事例3-5 工業炉の低空気比燃焼
効果試算
■計算式
 燃料削減率(%)=改善前後の排ガス顕熱差(kJ/kg)÷(燃料低発熱量−改善後の排ガス顕熱)(kJ/kg)
 ここで、排ガス顕熱(kJ/kg)={理論排ガス量(Nm3/kg)+理論空気量(Nm3/kg)×(空気比−1)}
    ×排ガス比熱(kJ/(Nm3・℃))×(排ガス温度-空気温度)(℃)
 あるいは、改善前後の空気比及び排ガス温度から図1により燃料削減率を求めることもできる。

■計算条件
 A重油、単価33千円/kL、低発熱量42,330 kJ/kg、理論空気量10.9 Nm3/kg、
 理論排ガス量11.5 Nm3/kg、排ガス比熱1.38 kJ/(Nm3・℃)
 燃焼量:平均45 L/h (年間使用量216kL)
 空気比:現状1.76、改善後1.31、 排ガス温度:150℃、 大気温度:20℃

■省エネルギー効果
 排ガス顕熱:現状 =(11.5+10.9×(1.76−1.0))×1.38×(150−20)=3,549 kJ/kg
       改善後=(11.5+10.9×(1.31−1.0))×1.38×(150−20)=2,669 kJ/kg
 燃料節約率={(3,549−2,669)÷(42,330−2,669)}×100=2.2%
 (排ガス温度150℃、改善前後の空気比1.76及び1.31から図1からも2.2%が得られる。)
 燃料削減量=216 kL×0.022=4.8 kL/年
効果


事例3-6 ボイラーの効率向上
現状の問題点 4基のボイラー(炉筒煙管式、蒸発量2t/h)があり、2基は常時運転、2基は需要に応じて
短時間運転しているが、ボイラ効率はいずれも70%内外と低い。
改善対策 常時運転のボイラー2基を効率の良い機種に更新する。
事例3-6 ボイラーの効率向上
図1 給水温度と燃料節約率
効果試算
■計算式
 ボイラー燃料削減量(kL/年)=現状の燃料使用量(kL/年)×(1−現状ボイラー効率(%)÷更新後ボイラー効率(%))

■計算条件
 現状ボイラーA重油総消費量:590 kL/年
  〃 効率:各ボイラーとも70%
 更新後ボイラー効率:90% 
 A重油単価:40 kL千円/kL

■省エネルギー効果
 燃料削減量: 590 kL/年×(1−70/90)=131 kL/年
効果



事例3-7 蒸気ドレン回収
現状の問題点 金型加熱用蒸気配管系にはドレン配管はあるが、ドレンタンク内への蒸気の混入、金型加
熱器内より流出する不純物による鉄錆発生と蒸気混入による高温化のため、回収を行って
いない。
改善対策 鉄錆の発生を防ぐため、ドレンタンク内と金型の掃除を実施して内部に防錆塗料を塗装し、ドレンの回収を実施する。
事例3-7 蒸気ドレン回収
効果試算
■計算式
 A重油削減量(kL/年)=ドレン回収量(t/年)×(ドレン回収温度−給水温度)(℃)
            ×水の定圧比熱(GJ/(t・℃))÷(A重油発熱量(GJ/kL)×ボイラ効率(%))

■計算条件
 蒸発量はA重油使用量から推定する。
  A重油使用量:339 kL/年、 蒸発倍数:13.0 t/kL、 ブロー量:8%
  蒸発量:339 kL/年×13.0 t/kL=4,407 t/年 
  給水量:4,407 t/年×1.08=4,760 t/年
 ドレン回収率を90%とする。  
 回収量:4,407 t/年×0.9=3,960 t/年。
 給水温度:20℃、回収温度:90℃、ボイラ効率:80%、A重油低発熱量:39.1GJ/kL
 水の定圧比熱:0.00419GJ/(t・℃)
 A重油単価:40 千円/kL、 給水(上水)単価:165円/t.

■省エネルギー効果
 回収熱量:3,960t/年×(90−20)℃×0.00419GJ/(t・℃)=1,161 GJ/年
 A重油削減量:1,161GJ/年÷(39.1GJ/kL×0.8)=37.1 kL/年
効果


事例3-8 鋳物溶解炉開口部の放熱損失対策
現状の問題点 溶解炉上部に設置されている蓋は、溶解温度の計測のため使用されない。ここから操業時
間中放射熱損失がある。
改善対策 右図に示すように開口部にエアシリンダー駆動の蓋を新設する。操業中は極力閉めるよう
にし、測温等の必要時のみ開けるようにする。これにより放射熱損失が防止できる。
事例3-8 鋳物溶解炉開口部の放熱損失対策
効果試算
■計算式:開口部からの放散熱Qは次式で計算できる。
 Q=4.88εA×{ (T1/100)4−(T2/100)4 }×1.163 (W)
   ここで、A:開口面積(m2)、 ε:溶解物の放射率
       T1:溶解温度(K)、 T2:周囲温度(K)

■計算条件
 開口面積:A=0.196m2、溶解の放射率:ε=0.8
 溶解温度:T1=1,573K(1,300℃)、周囲温度:T2=288K(15℃)、 電力単価:13.11円/kWh
 蓋は操業時間14分中12分(85%)が閉鎖可能になり、その間の放散熱が防止できる。

■省エネルギー効果
 放散熱:Q=4.88×0.8×0.196×{ (15.73)4−(2.88)4 }×1.163(W)=54,430W=54kW
 操業時間を考慮した効果(14分/バッチ、3バッチ/h)=54kW×(14分×3)/60分=38kW
 電力削減量:38kW×0.85×18h/日×240日/年=139,500 kWh/年
効果


事例3-9 成型機の断熱.
現状の問題点 樹脂シート製造用押出機11台のダイスが保温されていないので熱放散が大きい。
改善対策 現状はダイスの表面温度が150℃あり、これに断熱性能の良い断熱材を施工し表面温度を下げる
(熱伝導率λ=0.02 W/(m・K)、厚さd=20 mm)
事例3-9 成型機の断熱.
効果試算
■計算式
 保温材表面温度の推定:
 単位時間及び面積当たりに、保温層内を流れる熱量をQ1、保温層表面からの放散熱をQ2とすると、
  Q1=λ÷d×(t1−t2)(W/m2)
  Q2=a(t2−b)1.25+5.67ε[{(t2+273)÷100}4−{(b+273)÷100}4](W/m2)
 において、Q1=Q2を満足する保温層表面温度t2を求める。
 しかし、これは代数的に解けないので、試行錯誤的に変化させて解く。

■計算条件
 λ(熱伝導率)=0.02W/(m・K)、d(保温材厚さ)=0.02m、 t1(ダイス表面温度)=150℃
 a=2.8W/(m2・K)、ε(保温材外面放射率)=0.23(現状0.65と仮定)、b(外気温度)=20℃
 とすると、t2=36℃の時Q1≒Q2を得る。すなわち、保温外面温度は36℃である。
 ダイス表面積:上面と側2面を保温として、0.6×1.5×2面+0.5×1.5+0.6×0.5×2面=3.15m2

■省エネルギー効果
 放散熱の削減効果:上記のQ2式で放散熱量を求める。ただし、現状の計算式のt2は150℃である。
 現状 :Q=2.8(150-20)1.25+5.67×0.65〔{(150+273)÷100}4−{(20+273)÷100}4〕=2,137W/m2
 対策後:Q=2.8(36-20)1.25+5.67×0.23〔{(36+273)÷100}4−{(20+273)÷100}4〕=112W/m2
 効果: 2,137W/m2−112W/m2=2,025W/m2=2.03 kW/m2
 電力削減量: 2.03 kW/m2×3.15m2×24h/日×225日/年×0.8(稼働率)×11台=304千kWh/年
効果


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